ついにベール脱いだ!「韓国最強戦車」最新モデル ウクライナ戦訓を反映した“盛り盛り”進化の正体
2022年夏に韓国兵器を爆買いし話題となったポーランド。なかでもK2戦車を大量採用したのは話題になりました。同国向けの最新モデルがこのたび披露されました。改良のポイントは防御力の大幅強化です。
アップグレードの焦点は「新興兵器への防護力」
K2PLの改良ポイントは大きく4点に整理されます。まず、防御力強化として、新たにモジュラー構造の複合装甲ブロックを採用し、車体各所に爆発反応装甲(ERA)や層状装甲パネルを追加。対成形炸薬弾・対ドローン爆撃への耐性が高められました。
次に砲塔上の12.7mm重機関銃をRWS(遠隔操作式兵器システム)化し、乗員が車内から安全に射撃できるように改良しています。
また、オリジナルのK2戦車にない新世代の装備として、飛来するミサイルやロケット弾を迎撃するAPS(アクティブ防御システム)と、対ドローン用の電子妨害装置が搭載されています。電子妨害装置の詳細は説明されませんでしたが、APSについてはイスラエルのラファエル社の「トロフィー」が採用されています。
これに合わせ、砲塔左右には迎撃体のランチャーと迎撃体補給用のマガジンが装備され、周囲4カ所にレーダーアンテナが設置されています。車両全周(360度)を常時監視してミサイル、ロケット弾、自爆ドローンが戦車めがけて飛んできた場合は、これを自動的に迎撃することができます。
ウクライナ戦争では、ドローンや歩兵携行の対戦車兵器によって数多くの戦車が撃破され、その映像がSNSで拡散されたことから「戦車不要論」まで飛び出しました。K2PLはこの教訓を踏まえ、電子妨害によるソフトキルと迎撃によるハードキルを組み合わせることで、ウクライナ戦場で明らかになった自爆ドローンや歩兵携行火器への対応策をしっかり採っている模様です。
ポーランドは2022年の第一次契約で180両のK2GFを発注。これに続き、2025年夏には第二次契約で追加180両を締結していますが、その中にK2PL仕様が含まれます。
第二次契約では、ポーランド国内でのライセンス生産および技術移転も盛り込まれており、2026年以降には国産化ラインの稼働が予定されています。最終的な調達総数は最大1000両規模とされ、ポーランド陸軍の主力更新の柱になる見通しです。
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info





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