巡航ミサイルに「日本製エンジン」搭載へ!? その“現実味” ウクライナも熱望の破壊力
ドイツの防衛装備品メーカーであるタウルスと川崎重工業が、巡航ミサイル向けエンジン技術で協力を検討していると報じられました。川崎重工業はかねて、自社開発した小型のジェットエンジンをアピールしていました。
ウクライナも熱望する高性能ミサイルのメーカーが川重に接近か
2025年10月17日、ロイターなどの複数メディアが、ドイツの防衛装備品メーカーであるタウルス・システムズ(以下タウルス)と川崎重工業が、巡航ミサイル向けエンジン技術で協力を検討していると報じました。そのミサイル、エンジンはそれぞれどういったものなのでしょうか。
タウルスはMBDAのドイツ法人MBDAドイッチュラントと、現在はスウェーデンのサーブの一部門となっているサーブ・ボフォース・ダイナミクスが共同で設立した企業で、同社の開発した空中発射型巡航ミサイル「KEPD350」は、ドイツ、スペイン、韓国の各空軍に採用されています。
KEPD350は発射母機から投下後に主翼を展開して飛翔する仕組みとなっており、最大射程は500km以上と発表されています。また、用途に応じた弾頭を弾体中央部に搭載できます。
その弾頭の一つで「メフィスト」(MEPHISTO/Multi-Effect Penetrator Highly Sophisticeted and Target Optimised)という名称の500kg弾頭は、前方に配置された成型炸薬弾頭と後方に配置されたやや細めの弾頭で構成されています。前方の成型炸薬弾頭が地下施設や強固な防護力を持つ指揮所などに穴を開けた後、後方に配置された弾頭により内部を破壊する仕組みで、厚さ5m以上の鉄筋コンクリート構造物を貫通する能力があると言われています。
またエアバースト(空中炸裂)モードを備えた弾頭を使用すれば、屋外に露天駐機された航空機はもちろん、レーダーや地対空ミサイルなどにより構成される敵防空網を面制圧することもできます。
前にも述べたようにKEPD350は3か国の空軍にしか採用されていませんが、その能力は高く評価されています。ドイツの政治的事情で実現していないものの、ウクライナはドイツに対して何度も、KEPD350の供与を求めています。
ロイターは関係者の話として、タウルスが川崎重工業の小型エンジン技術に関心を寄せており、2025年5月に千葉市の幕張メッセで開催された防衛総合イベント「DSEI Japan 2025」に合わせて、覚書を手交したと報じています。





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