巡航ミサイルに「日本製エンジン」搭載へ!? その“現実味” ウクライナも熱望の破壊力
ドイツの防衛装備品メーカーであるタウルスと川崎重工業が、巡航ミサイル向けエンジン技術で協力を検討していると報じられました。川崎重工業はかねて、自社開発した小型のジェットエンジンをアピールしていました。
「採用の目途なし」から始まった川重のジェットエンジン開発
川崎重工業の小型ジェットエンジン開発がいつから始まったのかは、正式には筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)にもよくわからないのですが、川崎重工業はこれまで、自衛隊の標的機への使用を想定した小型ターボジェットエンジン「KJ14」や、推力を向上させた「KJ100」を開発してきました。
そのKJ100を、同社は2019年6月に開催されたパリエアショーに出展。これが海外のメジャーなエアショーへの初出展でした。
当時の日本には巡航ミサイルを活用する「スタンドオフ防衛能力」構想は存在していませんでした。このためパリエアショーでKJ100の説明にあたっていた川崎重工業の方は「自衛隊に採用してもらえる目途は立っていないので、海外のUAS(無人航空機システム)や巡航ミサイルのメーカーから注目してもらえれば……」と述べていました。控え目な発言でしたが、KJ100クラスの小型ジェットエンジンは国内外に競合商品が多くはなく、外国人来場者から大きな注目を集めていました。
川崎重工業がこれで自信を得た……のかどうかはわかりませんが、同社はKJ100の軽量・高推力というコンセプトを踏襲して、ターボジェットエンジンよりも推力が大きく、効率も高いターボファンエンジンの開発に乗り出します。
こうしてできたターボファンエンジン「KJ300」は、防衛省が開発を進めている「島嶼防衛用新対艦誘導弾」のエンジンのベースに選定されました。また現在、同社は小型ターボファンエンジン「KJ10」の開発を進めています。





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