民間で“国内初”の快挙を成し遂げた「ホンダロケット」本物を展示! そして次なるも目標とは?
ホンダは2025年10月29日から開催された「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」の会場で、クルマやバイクだけではなく、6月に打ち上げた再使用型ロケット実験機も公開しています。
6月にいきなり偉業を達成したロケット
ホンダは2025年10月29日から開催された「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」の会場で、クルマやバイクだけではなく、6月に打ち上げた再使用型ロケット実験機も公開しています。
 
                
                  
                会場でプロジェクト担当者に話を聞くと、展示機はレプリカではなく、北海道・大樹町で実施した実験機そのものとのことでした。実験機は全長6.3m、直径85cm、重量900kgで、実験では271.4mの高度まで到達した後、発射地点に着地しました。
そもそもなぜ、ホンダがロケットを、しかも再利用可能なものを実験することになったのでしょうか。担当者は「ホンダは誰かがやってみたというと(プロジェクトが)スタートする会社なので、検討して本気で作ろうかとなった段階で、この先の未来を考えたときに、サステナブルにこだわっているホンダが、“使い捨て”はないよねという形で始まりました」と明かします。
ビジネスジェット機も一から開発を始め、商業ベースに乗せたホンダということで、もちろんロケットに関しても実証実験だけで終わることは考えていません。最終的に衛星を軌道上に乗せ、再利用できるロケットの開発を目指すとのことで、「ロケットに関しては準軌道という、100km以上の高度まで行って戻ってくるということを次のステップとしています」と話します。
準軌道は、飛翔物が地球を周回せず、ふたたび地表に戻ってくる高度ではありますが、いわゆる「宇宙空間」と呼ばれる領域でもあります。このロケットをホンダは2029年までに開発する予定です。つまり、あと4年程度で同社は宇宙を目指そうというわけです。
ロケット製造に関しては、自動車の制御技術や、飛行機で不可欠な航空力学など、これまでホンダが培ってきたさまざまな技術が生かされているとのことです。
ロケットを打ち上げるためのロケットエンジンは、もちろんホンダがこれまで手掛けたことのない分野だったため、かなり手探りだったようです。
「エンジンは液体燃料なのですが、エンジンの燃焼部分はもちろん、燃料を供給するためのポンプやタンク、バルブなどもひとつひとつ『どうやって作る? どうやってつける?』というところから始めました。どの技術も難しかったですね」と担当者。ただ、プレスカンファレンスの際に三部敏宏社長が「どんな困難があっても諦めずに挑み続ける」と話したように、ホンダのロケット開発は一歩ずつ着実に進んでいます。
 
                
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