JAFでは珍しい!?「ワンボックスタイプ」の車両を公開! 実は能登半島地震の経験が活かされた最新タイプ どんな役割が?

日本自動車連盟(JAF)は、2025年10月29日から開催されている「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」において、開発中の災害支援車を初公開しました。

災害即応部隊のために開発中の車両?

 日本自動車連盟(JAF)は、2025年10月29日から開催されている「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」において、開発中の災害支援車を初公開しました。

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災害支援車のフロント部分(乗りものニュース編集部撮影)

 この車両は屋内展示会での初出展となるもので、2025年に設立された災害即応チーム「JAF-FAST(ジャフ・ファスト)」が運用する災害派遣用車両です。

 JAF-FASTは、2024年に発生した能登半島地震をきっかけに設立されたチームです。

 従来からJAFには、災害派遣を担う「特別支援隊」が存在しましたが、JAF-FASTは災害発生から10時間以内に現地で活動を開始できる即応体制を持つのが特徴です。JAFの全国スタッフの中から約100人が選抜され、専門訓練を受けた精鋭隊員で構成されています。

「災害時のJAFの最初の活動は、災害の影響で道路上に放置された走行不能車両を撤去し、緊急車両が通行できるスペースを確保することです。これができなければ、消防や警察の現場到着、支援物資の輸送も遅れてしまいます」(担当者)

 大きな特徴は、JAFが通常運用するレッカー車やサービスカーではなく、ワンボックスカーをベースに採用している点です。その背景には、能登半島地震で得た教訓があるといいます。

「能登半島での派遣時は、拠点となる事業所が少なく、資機材を運ぶために何度も往復しなければならず、作業効率が大きく低下しました。そこで、一度にけん引ロープや搬送具などを積載できる車両が必要と判断し、ワンボックスタイプを採用しました」(同)

 そのため災害支援車には、通常のロードサービス用機材に加え、タイヤロックされた車両を動かす「ホイール装着型搬送具」作業を知らせるためのカラーコーン、矢印板、三角表示板、災害現場で必要となる発電機、照明装置、浄水機器などの緊急資機材といった、多用途で即応性の高い装備が搭載される予定です。まさに“動くJAFの災害派遣基地”としての機能を目指して開発が進められています。

 同車両は2026年度以降に配備される予定とのことです。まず全国8か所にあるJAFの地方本部に1台ずつ設置する方針になっています。将来的には、各地域での災害対応拠点としての役割も担うことが期待されています。

【災害現場に即到着!!】これが、JAFの災害支援車です(写真)

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