2県の自動車道をガッチャンコ!? “ほぼ無料”約100kmの大動脈の“風変りな成り立ち”

能登半島の交通を飛躍的に改善したのが「能越自動車道」です。半島の富山県側からS字を描くように輪島市までをつなぐ線形は、2県の道路整備を一体化して誕生したため、風変りな成り立ちや構造が見られます。

かつては峠越えの難所もあった能登の南北軸

 本州のほぼ中央から日本海に大きく突き出す「能登半島」は、その大部分が石川県に属します。そのため、石川県内では早くから道路の整備が進められ、1982年にはのちに無料化され「のと里山海道」となるバイパス「能登有料道路」がほぼ全通し、県都金沢市からの所要時間が格段に短縮されました。

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のと里山海道の徳田大津JCT手前の標識。左方向はそもそも能越道だが、のちにのと里山海道に組み込まれた(植村祐介撮影)

 しかし能登半島東側の基部を構成する富山県側との交通は、長らく不便なままでした。

 富山県の能登半島側に位置する氷見市から、半島の中央にある七尾市まで、かつては県境の石動(いするぎ)山地を荒山峠で越え45分で結ぶ富山・石川県道18号が最短ルートでした。

 この荒山峠は標高400mに満たない峠ですが、日本海側の山沿いゆえ降雪量が多く、道路改良が進んだ近年まで冬季通行止めとなる道路でした。通年で通行可能となった現在でも、道中には各所にセンターラインのない区間も残され、また冬季の降雪時は難所であることに変わりはありません。

 また氷見市から海沿いに七尾市へ至る国道160号は、集落で生活道路と一体化したり、岬や入り江では地形に沿って回り込む線形だったりと、海岸沿いの道路にありがちな特徴を備え、こちらも約50分かかっていました。

 こうした能登半島の富山側との交通状況を大きく改善したのが、「北陸自動車道」の小矢部砺波JCTから分岐して七尾ICまで、さらに現道活用区間を挟み能登半島の奥に分け入る「能越自動車道」(能越道)です。この能越道の開通で、氷見市から七尾市までの所要時間は約35分となり、冬季の峠越えや集落内を抜ける必要もなくなり、安全性は飛躍的に向上しました。

2県の道路をつないだ“風変わりな成り立ち”

 ただこの能越道の歩みはやや風変わりで、現在もその中央部が分断された形となっています。

 まず事業化されたのは石川県内の区間で、七尾市より北西側の横田IC〜比木IC(現・穴水IC)が1978年に開通。ついで1980年に徳田大津ICから横田ICが開通し、1982年には能登有料道路が徳田大津ICまで延伸開業したことで、両者が接続しました。そして1998年には田鶴浜IC〜徳田大津JCTが開通します。

 富山県内の区間が事業化されたのは1988年で、まず開通したのは1996年、北陸道の小矢部砺波JCTから福岡IC(高岡市)までの平野部区間です。ただそこから七尾ICまでの延伸には時間がかかり、小矢部砺波JCTと七尾ICが結ばれたのは2015年でした。

【能登半島の端まで“ほぼ無料”】これが「能越道」の全貌です(地図/写真)

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