ハイエース牙城は崩れず!? 新商用バン「PV5」上陸で見えた“棲み分けこそ現実解”その意味「価格・積載・コスト」で比べてみた!
来春、韓国キアの新型EVバン「PV5」が日本上陸する予定です。日本における商用バンについてはトヨタ「ハイエース」が圧倒的な王者といえますが、その牙城を崩すことはできるのでしょうか。
比較で見える「棲み分け」のポイント
ではコストはどうでしょうか。この点については「導入・残価」のハイエース、「運行費」のPV5と言えそうです。
ハイエースの価格帯は244万9500円~450万1200円。PV5の予測価格は500万~600万円(補助金適用前)と高めですが、BEV(バッテリー電気自動車)向け補助金(最大90万円)を活用すれば実質410万~510万円まで縮まります。
PV5の最大の経済的メリットは運行コストです。電費は一般にディーゼルより有利で、計画的なルート配送やフリート運用ではランニングコスト低減が導入の決め手になり得ます。一方、初期導入のしやすさや高い残価を重視する場合、ハイエースの優位は揺らぎません。
最後の用途と信頼性に関しては、ハイエースが「全国・高負荷」、対してPV5が「都市部・計画運用」になるでしょう。
PV5は最高出力120kWのモーターを搭載し、航続距離は概ね377~528km、急速充電にも対応します。充電インフラが整う都市部や、環境規制への対応が求められる企業用途に適性があります。
モジュール式設計により最大16種類のバリエーション展開が可能で、移動オフィスや各種特装など多用途化にも向きます。
対するハイエースは、ガソリン/ディーゼルの長い航続と給油の容易さ、50年以上の実績に基づく信頼性、全国規模の整備網が強みです。長距離輸送、建設現場などの高負荷、地方での運用ではハイエースが光ります。
PV5の登場は、ハイエース一強の市場に新たな選択肢をもたらします。両車は競合ではなく、それぞれが得意分野で棲み分けることで、多様化する日本の商用車ニーズに応えていくはずです。





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