京阪の「新プレミアムカー」何が変わった? 有料の快適カー“2両化”で起こっていたこととは?

京阪電鉄で座席指定の特別車両「プレミアムカー」を2両連結した列車の運行がスタートしました。従来の「プレミアムカー」との違いはあるのでしょうか。実際に乗ってみました。

5号車のプレミアムカーに乗ってみた

 筆者(柴田東吾:鉄道趣味ライター)が乗車した「プレミアムカー」は、平日日中の列車で、乗車区間は丹波橋→淀屋橋間です。ちなみに「プレミアムカー」が2両の列車は「プレミアムカー」の時刻表などで確認できるほか、予約時に5号車を選べます。

 筆者のように日中の「プレミアムカー」で途中から乗車する利用者は少なく、大半の利用者は京都中心部と大阪中心部の駅間を移動する乗客でした。1人がけの座席はほぼ埋まっており、2人がけの座席の利用はまばらでした。

 乗客の多くはスマートフォンを利用しながら過ごしていましたが、なかにはノートパソコンを使って作業をしている姿も見られました。「プレミアムカー」にはWi-Fiがあり、座席に大型のテーブルやコンセントもあるので、電源やネット環境に困ることはありません。

 筆者は「プレミアムカー」での移動中に軽く食事を取りながら過ごしました。大きなテーブルが役に立ちました。飲み物のペットボトルは窓枠に置いていましたが、今思うと座席のドリンクホルダーを使っても良かったのかもしれません。

 ちなみに5号車の出入口より大阪方にある2列の2人がけ座席は前出の通りシートヒーター付きです。車いすスペースや荷物置場が隣接しているものの、これらの利用がなければ「4席の個室」という雰囲気。この区画にいた乗客は1人だけで、個室の利用者のように見えて羨ましく思いました。

 利用の少ない時間帯であれば、1人で2席や4席を確保できる座席の販売方法があっても良いように思います。しかし、京阪のルールでは1人で複数の切符を持っていても、1枚だけを有効としています。複数の座席を予約しても、1人だけで利用することはできません。

「プレミアムカー」は朝や夕方を中心に旺盛な利用があり、ラッシュ時間帯を中心に満席となることが珍しくありません。今回「プレミアムカー」が2両となったことで、ラッシュの時間帯でも座席の確保がしやすくなっています。

 一方、「プレミアムカー」が増えたことで一般の車両は6両に減り、「プレミアムカー」に隣接した4号車や7号車では混雑が目立っています。今回5号車が「プレミアムカー」に変わったことで、5号車の位置で列車を待っている人の大半は隣の車両に流れていました。中には「プレミアムカー」と気付かずに乗車しようとして、アテンダントに隣の車両を案内される姿も見受けられました。

 アテンダントは5・6号車に1人ずつ配置されていますが、大阪方のターミナル駅となる京橋でアテンダントが交代する姿も見られました。京橋では「プレミアムカー」の乗客の半数近くが降りていき、終点の淀屋橋までの各駅でも乗客が降りていきました。

 淀屋橋で乗客が全員降りると「プレミアムカー」の車内整備が行われ、座席を回転して特急出町柳行きとなります。新たな乗客が乗り込むと、直ちに発車していきました。

【落ち着く~】「新プレミアムカー」の5号車車内(写真)

Writer:

1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。

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