「新千歳じゃない方の札幌の空港」で行われる「ロケットみたいな珍離陸法」将来なくなるか? 現在は「冬はプロペラ定期便」のみ…その将来

札幌市内にある「丘珠空港」は2025年時点では、プロペラ機による近距離路線がメインで、冬季にジェット旅客機の定期便の発着はありません。これが将来的に、変わるかもしれません。

FDAが夏季に3路線を運航

 札幌市内にある「丘珠空港」は2025年時点では、プロペラ機による近距離路線がメインで、冬季にジェット旅客機の定期便の発着はありません。これが将来的に、変わるかもしれません。

Large 20251117 01
丘珠空港のFDA機(乗りものニュース編集部撮影)。

 丘珠空港がこうした使われ方をしているのは、滑走路の長さが1500mしかないことが主な理由です。国土交通省北海道開発局は「現状の滑走路長では小型ジェット機が冬季に就航できず、道外からの需要に十分な対応ができていない」としています。

 ジェット旅客機による定期便は静岡を拠点とする航空会社、FDA(フジドリームエアラインズ)の季節運航便。ここでは夏季においても航空ファンのあいだで「ロケットスタート」と呼ばれる手法が取られます。

 通常、旅客機が十分な長さをもつ滑走路から離陸する場合は、エンジンパワーを途中まであげた状態から滑走を始め、回転数を安定させたのちに出力を最大にセットします。旅客にとっては、少し走り始めてから、エンジン音が大きくなるとともに大きな加速度を感じます。

 対し丘珠空港でFDA便が行う「ロケットスタート」は最初にエンジンをフルパワーにセットしてから、ブレーキを解除し、一気に加速する方法で短い滑走路に対応しています。なお、旅客にとっては、機体が停止した状態でエンジンがフルパワーまで上がるため、そのときに独特の音や振動を感じます。

 そのような丘珠空港ですが、将来的に滑走路を300m延伸し、1800mとするプランが国土交通省によって発表されています。同省は「滑走路を延長することにより、小型ジェット機の通年運航が可能となり、より多くのビジネス需要や観光需要の受け入れが可能となる」と資料で述べています。もし1800m化が実現とした場合、FDA便で行われている「ロケットスタート」を使わずとも離着陸が可能となるかもしれません。

この記事の画像をもっと見る(1枚)

最新記事

コメント