助手席に乗るのがイヤな「ゼッタイ俺が運転したいマン」なぜ? 「運転うまい俺」が不安を覚えるワケ 専門家に聞いた
日頃からハンドルを握っていると、「他人の運転の助手席」に座ることが落ち着かなくなる、そんな人がいます。こういった「自分が運転したい」という思いは、どんな心理から生まれるものなのでしょうか。
「自分の運転でないと不安」な心理的理由
日頃からハンドルを握っていると、「他人が運転するクルマの助手席」に座った際にソワソワして、なんだか落ち着かなくなる人もいるかもしれません。かく言う筆者もそのうちの1人で、妻の運転はなんだか怖くて仕方がありません。
しかし、こういった「助手席に座りたくない」「自分が運転したい」という思いは、どのような心理状態から生まれるものなのでしょうか。
元トラックドライバーの交通心理士で、近畿大学理工学部の島崎 敢准教授は、「あくまでも推測のひとつ」であると前置きした上で、「主に以下の3つのような心理的要因が、複合的に作用しているのではないか」と分析します。
「まず考えられるのが『コントロール感の違い』です。人は自分が状況をコントロールしていると安心しやすく、逆にコントロールできない状況では不安を感じやすくなります。自分で運転しているときはブレーキやハンドル操作のタイミングを自分で決められるので、『ここはまだ大丈夫』と思えるのですが、助手席ではそれができません。結果として『ブレーキが遅い』『車間が近い』と敏感に感じ、不安が高まります」(島崎准教授)。
第2の要因として挙げられるのは、「行動主体(誰が運転するか)」と「受け入れられるリスクの違い」だと島崎准教授は指摘します。
島崎准教授は「たとえば、喫煙のリスクについて考えたとしましょう。自分が吸ったタバコによる健康リスクなら受け入れられても、他人の副流煙によるリスクは、自身の喫煙によるリスクより低くても我慢できない、という例があります。これはクルマの運転でも同様で、他者の運転になると、自分の運転よりも許容できるリスクのレベルが下がってしまうのかもしれません」と説明しました。





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