助手席に乗るのがイヤな「ゼッタイ俺が運転したいマン」なぜ? 「運転うまい俺」が不安を覚えるワケ 専門家に聞いた

日頃からハンドルを握っていると、「他人の運転の助手席」に座ることが落ち着かなくなる、そんな人がいます。こういった「自分が運転したい」という思いは、どんな心理から生まれるものなのでしょうか。

自称「運転がうまい人」ほど助手席が嫌い?

 そして島崎准教授によると、3つ目の要因は「自身と他者の運転スタイルのズレ」であるとのこと。確かにブレーキや合図、左右の確認を行うタイミングなど、運転操作に対する感覚が自身の感覚と違うと、「遅い」「見落としているのではないか」などと、不安を感じやすくなります。

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なかには「助手席は酔いやすい」という人も(画像:PIXTA)

「実際の技術の優劣はともかく、『自分のほうが正しい運転をしている』『自分の運転は上手い』と思いがちな人ほど、この違いには敏感です。だから助手席で不安を覚えやすいのだと考えられます」(島崎准教授)

 また、島崎准教授は心理的な要因以外の理由についても指摘します。「助手席ではクルマの動きを先読みできないことから、他人の運転で車酔いしやすい、という人も多いのではないでしょうか。また、『運転すること自体が楽しみ』という人にとっては、助手席に座ること自体が楽しみを奪われるようで、ストレスになるかもしれません」と述べました。

 このように、「助手席に座りたくない」「自分が運転したい」と思う理由はさまざまあり、なかには複数の要因が重なっているケースもあります。ただし、助手席に座りたくないからと、無理してハンドルを握り続けるのは、必ずしも良いことではありません。特に長距離の運転で、ほかにも運転ができる同乗者がいる場合は、なるべく交代しながらの移動が推奨されます。

 なお、島崎准教授は2025年10月より、運転心理と安全リスクなどについて解説するポッドキャスト番組『プロフェッショナルドライブ』を配信しています。元トラックドライバーで交通心理士、さらに現役の大学准教授というマルチな立場から、運転にまつわる多彩なトピックを展開していますので、ぜひご視聴ください。https://prodora.jp/

【休憩の目安!】これが「長距離運転」に疲れる時間です(表・写真で見る)

Writer:

1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。

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