「国産EVバス」大量に導入へ 鮮やかな赤い車両が宇都宮でデビュー! “1都市まるごと電気バス化”目指す
みちのりホールディングスは、グループの路線バス事業者である関東自動車の宇都宮営業所に、国産初のEVバス「エルガEV」を導入します。
2029年度までに7割を電動化へ
今回の「エルガEV」は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が2022年度から推進している「グリーンイノベーション基金事業」を活用して導入されます。
電気バスは世界的に導入が進んでいますが、運用コストがディーゼル車両と比べて高く、日本での普及は遅れています。
そうした背景を踏まえ、みちのりグループと東京電力ホールディングスは、路線バスの運行管理とエネルギーの需給調整を一体的に行うエネルギーマネジメントシステム「バスEMS」の開発を進めており、電気バスの経済性を改善し、導入加速を目指しています。
バスEMSは、みちのりグループが開発する電気バスの運行管理システムと、東京電力ホールディングスが開発するエネルギーの需給調整を管理するシステムを一体化したもの。車両の運行情報をリアルタイムで把握し、同時に充電するタイミングを分散させることで、同時使用電力を削減します。
また、充電設備などはバスEMSの導入が完了した前提で設置する数を逆算することにより、設備コストも最小化できるといいます。今後は2026年3月頃にバスEMSのフィールド運用が始まり、営業所全体が電動化される予定です。
なお、関東自動車の宇都宮エリアには今後、2029年度までに158台のEVバスが導入される予定。国産と海外製(BYD)の比率は概ね2:1となる見込みで、「国産車を増やしていきたい」(みちのりホールディングスの担当者)としています。
11月18日に開催された「エルガEV」のお披露目式には、関東自動車の吉田元 社長、宇都宮市の佐藤栄一 市長、新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)の斎藤保 理事長ら関係者が出席し、テープカットを行いました。
式典で関東自動車の吉田社長は「まずは来年1月までに国産EVバスを20台導入し、既に導入している他社製EVバスと合わせて30台体制とします」と挨拶。「その後も毎年30~40台程度、EVバスを追加導入し、2029年度には宇都宮エリアで運行している当社の大型バスの7割を電動化していきます」と見通しを述べました。
※一部修正しました(11月20日12:25)
Writer: 乗りものニュース編集部





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