「万博、終わっちゃったね…」 狂乱の万博輸送“その後” ミャクミャク列車はどこへ? 夢洲には意外と人影が

大阪・関西万博が2025年10月に閉幕しました。期間中は大勢の人でにぎわいましたが、現在、会場周辺や最寄り駅の夢洲はどのような様子なのでしょうか。周辺を訪れました。

閑散とした夢洲駅構内

 閉会後も会場を訪れる人が少なからずいるとはいえ、その数は開催期間中よりも圧倒的に減りました。駅構内は大勢の利用者を迎えるために広大なコンコースを備えていますが、今は閑散としています。

 夢洲駅の改札から東ゲートへは大きな階段があり、階段には万博の装飾が施されています。開催期間中は大勢の人影で見えなかった装飾も、今ではハッキリと見えます。階段の装飾を写真に収めたり、ポーズをとって記念写真を撮影したりする人の姿が見られました。この階段の装飾は11月6日限りで終了しています。

 駅の設備は開催期間中から大きく変わっていませんが、券売機や精算機は稼働台数を減らしています。改札口は16通路もあり、そのままの状態で使用されていますが、完全に持て余しています。

 改札内のコンコースも、その広さを持て余すようになりました。このコンコースには巨大なサイネージ(電子公告)があり、閉幕後も稼働して各種PRの動画が流れています。PRの動画はいくつか種類があり、大阪メトロをPRする動画もあります。

 このサイネージには大阪・関西万博のキャラクターのミャクミャクも登場しますが、万博グッズを「買って!買って!」とダイレクトに訴えていることがSNSで話題となりました。万博期間中は大勢の利用者がいてサイネージの撮影が難しい状況でしたが、閉幕後は人がまばらとなり、おねだりするミャクミャクをキレイに撮影できるようになりました。しかし、ミャクミャクが登場する動画の放映は10月末で終了しています。

 また、万博をPRすべく関西の各路線で運行されたラッピング列車も、閉幕後は順次ラッピングが終了し、装飾が施された姿も過去のものとなります。

 大阪メトロ中央線は列車の運行本数が万博前の水準に戻りました。このため、万博輸送で使用された車両の一部が谷町線に順次転用されています。

 中央線から谷町線に転用されたのは、30000A系です。転用に際して車体の装飾が変わっていますが、中央線時代の姿を基本に、中央線のラインカラーで緑色としていた部分を谷町線の紫に変えるだけに留めています。車内は、停車駅や乗り換え案内などを谷町線向けに改めていますが、それ以外は中央線時代を踏襲しています。

 万博会場だった夢洲は今後、統合型リゾート施設をはじめとした各種施設が整備される予定です。これらの施設が開業すると、夢洲が再び活況を帯びるかもしれません。

【閑散】今やキャパ余りすぎの「さみしい夢洲駅」を見る(写真)

Writer:

1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。

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