中国製旅客機“お試し採用”のLCC「半年で返します~」→なぜ? 成功例もある売り込みスタイルも頓挫のワケ
ベトナムのLCCにリース導入された中国の旅客機が、わずか半年で同航空会社での運航が終了しました。どういった背景が考えられるのでしょうか。
「ウエットリース」契約で
中国の旅客機C909(旧ARJ21)は、ベトナムのLCC(格安航空会社)の「ベトジェット」でリース契約の下運航されていましたが、契約は更新されず、わずか半年間後の2025年10月にはリースによる運航が終了しました。
過去には航空会社へ機体をリースし運航する手法を採用し、それが世界中への販路拡大への道につながった例もあります。今回のC909のリース打ち切りは、中国製旅客機の今後の海外展開へ影響はあるのでしょうか。
100席級のリージョナル機C909と、その上のクラスになる小型旅客機C919について、中国とメーカーのCOMAC(中国商用飛機有限公司)は2024年から本格的に海外販売へ乗り出しました。
両機種はチベット航空で採用が決まり、最近はブルネイが自国のギャロップエアの導入へ使用を認可したと伝えられています。中国は中東へも足掛かりを得ようと、11月に開かれたUAE(アラブ首長国連邦)・ドバイでの航空ショーでC909とC919を出展もしています。
そこへ水を差すかもしれないのが、ベトジェットのリース終了です。ベトジェットは、C909を2機、中国の成都航空から乗員共に借り受けるとともに整備の支援も受ける、いわゆる「ウェットリース」と呼ばれる形で国内線を飛ばしていましたが、契約延長を行いませんでした。背景には、運航費が高額であったことやベトナム国内の規制上による制約があったためと伝えられています。
航空機メーカーが海外へ販路を切り開くのにリース契約により成功した例としては1977年のエアバスA300のアメリカ、イースタン航空への例があります。試験運航名目で4機のA300を、C919と同じ6か月間の期限でリース契約を結び高い評価を得たからこそ、エアバスの受注は世界中で増えて今に至ります。





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