日本は全廃なのに… それでもポーランドが「世界最強攻撃ヘリ」を100機買うワケ
航空宇宙大手のボーイングは2025年11月26日、ポーランド向けに96機のAH-64E「アパッチ」攻撃ヘリコプターを製造する契約を締結したと発表しました。
すでにアメリカ陸軍から8機をリース中
航空宇宙大手のボーイングは2025年11月26日、ポーランド向けに96機のAH-64E「アパッチ」攻撃ヘリコプターを製造する契約を締結したと発表しました。これにより、ポーランド軍は、老朽化した旧ソ連製のMi-24/35ヘリコプターを更新する計画です。
ポーランドは、これによりヨーロッパ最大の「アパッチ」運用国になるだけでなく、世界でもアメリカに次いで「アパッチ」の機数が多い国になる見込みです。
契約には、新造機の引き渡しだけでなく、パイロットおよび整備士の訓練、初期スペアパーツの納入、技術支援、そして将来的なアップグレードも含まれており、ポーランド軍の運用能力を包括的に支援する体制が構築されます。
AH-64Eは、アパッチ・ファミリーの最新かつ最も高性能なモデルです。その特徴として、優れた戦術データリンクや統合センサーシステム、強化型トランスミッションを備え、従来の「アパッチ」攻撃ヘリコプターよりも巡航速度やペイロード(積載量)などが向上しています。また新素材の活用で装甲防御力も強化されており、海洋目標への攻撃能力も獲得するなど、さまざまな点で一新されています
そのため、このE型には「ガーディアン」という新たな愛称が付けられているほどです。
さらに、将来戦を見据えてUAV(無人航空機)との連携を可能にする「MUM-T(Manned-Unmanned Teaming)」機能を有しており、現代の複雑な戦場における優位性を確保します。
今回の大型契約は、ロシアとウクライナの戦争が泥沼化するなかで、地政学的な緊張が高まる東ヨーロッパ地域における防衛力の強化を明示するものであり、NATO(北大西洋条約機構)加盟国であるポーランドが、いかに軍事支出と近代化へ邁進しているか、改めて浮き彫りになったといえるでしょう。
なお、ポーランド国防省はすでにアメリカ陸軍から8機をリースするとともに、パイロットと整備員の訓練を始めています。
一方で、日本はひとつ前のタイプであるAH-64D「アパッチ」を13機調達し、2025年12月現在、陸上自衛隊で12機運用していますが、将来的にはドローンで代替し、全廃することを決めています。
日本とは逆に、「アパッチ」攻撃ヘリコプターの大量調達を決めたポーランドにAH-64Eの引き渡しが始まるのは2028年からの予定です。





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