「ワゴンRじゃありません!」スズキで売ってた”軽みたいなアメ車”とは「大統領、コレ良いですよ!」
アメリカのトランプ大統領が「“超小型車”の製造を米国内で承認する」とSNSに投稿したことが話題となっています。大統領は日本の軽自動車を絶賛しましたが、日本ではかつて“軽みたいなアメリカ車”が販売されていました。
軽みたいだけど「シボレー」です!
アメリカのトランプ大統領は2025年12月、SNSの「トゥルース・ソーシャル(truth social)」において、「米国で『TINY CARS(超小型車)』を製造することを承認した」と投稿しました。
この「TINY CARS」は、現在アメリカ国内で販売されているコンパクトカーよりも、さらに小さいサイズのクルマを指していると見られています。また12月初旬に行われた会見では、トランプ氏が日本の軽自動車を絶賛する場面もありました。
まさにトランプ氏は“軽自動車のようなアメリカ車”を求めているとも言えますが、日本ではかつて、アメリカ車である「シボレー」のバッジを装着した、軽自動車ベースのコンパクトカーが販売されていたことがあります。
それがスズキなどで販売されたシボレー「MW」です。シボレーMWは、同ブランドを展開するアメリカのゼネラルモーターズ(GM)と、日本のスズキとの提携関係によって開発されたモデルで、まず2000年9月に限定モデルとしてリリースされた後、翌2001年1月からカタログモデルに昇格しました。
ベースは、軽自動車であるスズキ「ワゴンR」を小型車サイズに拡大した「ワゴンRプラス」(後に「ソリオ」に改名)です。シボレーMWはフロントマスクなどが専用にデザインされ、グリルにはシボレーのシンボルである“ボウタイ”を象ったエンブレムも装着されていました。しかし、外観は一見して“ワゴンRそのもの”であり、内容的にもワゴンRプラス/ソリオの姉妹車と言っていいモデルでした。
このシボレーMWの発売前後、スズキはGMとの提携関係の強化を進めていました。2001年10月には初代「スイフト」をベースに、外装などをシボレーの独自デザインに変えた「クルーズ」というコンパクトカーも発表。GMシボレーとスズキの両社の販売店で売っていました。
しかし、GMの業績は2000年代に入ってから悪化の一途を辿ります。2006年には、保有していたスズキの株式の大部分を手放し、残りのスズキ株もリーマンショックが発生した2008年にすべて売却。これにより、両社の資本提携は解消されたため、シボレーMWも2010年に生産を終えました。
両社の提携解消で、シボレーMWやクルーズで蓄積されたノウハウも潰えてしまったと考えると、2025年になって“超小型車”がアメリカ大統領に認められたのは、皮肉と言えるかもしれません。





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