ナニコレ!?「取り出し口だけ」の自動販売機があった! 完全真っ白、買い方も判らない!? でも確かにドリンク出てきた!
トヨタが静岡県裾野市に建設した「ウーブンシティ」では、さまざまな新しい製品やサービスの実験が進められています。なかでも目を引いたのが、一見して「取り出し口しかない」自動販売機です。
溶け込むも目立つも“自由自在”?
ダイドードリンコは、これまでの常識を覆す新発想の自動販売機として、HAKUを開発したといいます。ドリンクの取り出し口以外、一切の意匠やディスプレイなどを廃することで、さまざまな空間に溶け込むように置ける“ノイズのない自販機”になっているのです。
実際にHAKUでドリンクを買う際は、スマホで専用のQRを読み取ることが必要です。するとスマホに「デジタル自販機」が表示され、商品選択と決済が行えるようになっています。最初こそ、どんなドリンクが買えるのか、スマホに表示されるまで不安も感じますが、一度使ってしまえば、その後は抵抗なく使えそうだと思いました。商品選択から支払いまで、非接触で済む点も時代に合っていると感じます。
ダイドードリンコは、国内の売り上げの約8割が自動販売機によるもので、自販機には並々ならぬこだわりと愛着を持っているとのこと。ブランドメッセージである「こころとからだに、おいしいものを。」の通り、単にドリンクを売るための機械ではなく、それ以上のプラスアルファを届ける“店舗”のようなものとして、自動販売機のことを考えているといいます。
そこで生まれた新発想の自動販売機がHAKUだったのですが、まず試したかったのは「今まで置けなかった場所にも置けるか」だったそうです。HAKUはオフィスの受付周辺やショールームなどに置くことを想定しており、不特定多数の人ではなく、どちらかというとその場所によく通う人を想定した自動販売機なのだといいます。
また、HAKUは外観の色や柄、文字などを自由にカスタマイズすることで、逆に“目立たせる”ことも可能です。通行する人に向けた、インパクトのある広告を全面に表示するなど、さまざまな使い方ができるのも、HAKUの特徴といえるでしょう。ダイドードリンコは、今後もウーブンシティでフィードバックを集め、開発を進めていきたい考えです。
すでに「Kakezan Invention Hub」に置かれたHAKUには、実際に使った人々が感想を書き込んだ付箋がペタペタと貼られていました。なかには「何が売っているかくらいは、ひと目でわかった方がいいかな」といった意見もありましたが、おおむねHAKUは好感触の模様です。この“カケザン”が自販機をどのように進化させていくのか、今後も期待したいところです。
Writer: まるも亜希子(カーライフ・ジャーナリスト)
カーライフ・ジャーナリスト。20年以上に及ぶ国内外での取材経験を生かし、雑誌・ウェブサイト・TV・ラジオ・トークショーなどに出演・寄稿する他、安全&エコドライブのインストラクターも務める。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(2006年〜)。現在はYoutube「クルマ業界女子部チャンネル」でもユルく楽しいカーライフ情報を発信中。





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