「ちッ 新札も使えないだと…?」格安だけど“ご都合主義”すぎる路上の駐車設備、実は“一足飛び”の進化を遂げていた!?

2024年7月の新紙幣発行から1年半、都内では新紙幣が使えないパーキング・チケット発給機が残っていました。しかしこの問題が解決に向かうとともに、一気に進化を遂げています。

「使えません」の表記があったカードも使えた!?

 使い方が異なるのは、キャッシュレスで作動手数料の決済を行う場合です。キャッシュレス決済では、ナンバープレートの数字を入力したあと、下の小さめのディスプレイで決済手段を選び、電子マネーであればディスプレイの下のセンサーにカードをタッチ、クレジットカードの場合はさらに下にある挿入口にクレジットカードを差し込むという流れとなります。

 実際に現地確認した発給機は、流通系では「WAON」「nanaco」「楽天Edy」「iD」「QUICPay」、交通系では「Suica」「PASMO」「PiTaPa」「Kitaca」「manaca」「TOICA」「ICOCA」「はやかけん」「nimoca」「SUGOCA」への対応が確認できました(PiTaPaについては、交通系としては「使えません」との表記があるものの、流通系のカテゴリで選択可能だった)。

 ちなみに警視庁によると、2024年度末時点で108基のキャッシュレス決済対応パーキング・チケット発給設備を設置し、2025年度はさらに74基を旧型機から更新するとしています。都内各所にまだ多く残る従来型の発給機が新型発給機に置き換われば、その利便性は大きく高まることになります。

実はまだまだ進化しそう!?

 さて、このように進化したパーキング・チケットですが、東京都の構造改革QOSアップグレード戦略「シン・トセイ3」では、この先さらなる進化がアナウンスされています。

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パーキング・メーターの例。車両が停まっているのに「未納」のケースも目立つ(植村祐介撮影)

 それはパーキング・メーターやパーキング・チケットをネットワーク化し満空情報を配信するというものです。同戦略の資料によると、キャッシュレス化とネットワーク化は、今回のパーキング・チケット発給機の更新を端緒とし、今後はパーキング・メーターにも広げるとしています。

 ふだん都内でパーキング・メーターやパーキング・チケットを使っていれば感じる人もいるかもしれませんが、近年、巡回する料金収受員が明らかに減っており、それにともない時間超過や料金未納のまま利用する車両が増えています。

 すでに民間のコインパーキングでは、入口のゲートや車止め(フラップ)を廃止し、監視カメラで駐車時間や料金支払いの状況を確認するシステムの導入が広がっています。

 将来的にはパーキング・メーターやパーキング・チケットも、ナンバーの読み取りにも対応した監視カメラをAIと組み合わせ、人に頼らずに運用状況を確認し、不正駐車に対応する仕組みへと切り替わっていくのではないでしょうか。

 なお警察当局は、パーキング・メーターやパーキング・チケットに支払うお金は「駐車料金ではなく、設備の維持管理に必要な費用となる『手数料』」としています。もしこうしたDXで維持管理費用の削減が可能になるのであれば、現在ほぼ一律の「60分300円(もしくは20分あたり100円)」の料金の値下げを検討してほしいものです。

【これから一気に増える!?】これが「新型パーキングチケット/メーター」と整備スケジュールです(画像)

Writer:

1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。

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