信頼されて半世紀 空自現役パイロットに聞く輸送ヘリ「チヌーク」の実像
50年以上にわたり、第一線で活躍し続ける大型輸送ヘリ「チヌーク」。沖縄の最前線に配備された同機の現役パイロットに、その実像を聞きました。
日本の防空を支える「隠れた屋台骨」
航空自衛隊は全国にくまなく配置された「レーダーサイト」によって、24時間、日本の空の安全を監視しています。特に沖縄県周辺は、4か所のレーダーサイトを抱える重要な地域であり、南西地域の防空の要になっています。
このレーダーサイトは、その役割上、へき地に存在することが多いものです。南西地域においては沖縄本島、沖永良部島、久米島、宮古島と、大半が離島に設置されています。これら離島のレーダーサイトへの輸送任務などに従事し、防空を支える“隠れた屋台骨”といえる存在が、那覇基地に所在する「那覇ヘリコプター空輸隊」です。
那覇ヘリコプター空輸隊のパイロット今井 誠3等空佐(取材当時)は、同部隊に所属する大型輸送ヘリCH-47J「チヌーク」について、以下のように語ります。
「『チヌーク』はもともとアメリカ陸軍が導入したヘリであり、ネイティブアメリカンの『チヌーク族』がその愛称の由来です。最大の特性は、前後に2つの巨大なローターを備えた『タンデムローター式ヘリコプター』ということで、容量がとても大きなキャビンスペースと、ありあまるほどの出力を有する2基のエンジンを備えています。約8トンの貨物を機内に搭載または機外に装備されているカーゴフックにより吊り下げることもできますが、8トンという重量はC-1輸送機(川崎重工業製中型ジェット輸送機)のペイロードとほぼ同じです。そのため、たとえば本土からC-1で輸送してきたものを離島のレーダーサイトへ運ぶ際は、ほぼそのままの状態で『チヌーク』へ載せ替えることができます」(那覇ヘリコプター空輸隊 今井3佐(当時))
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