ジブリの「超名作アニメ」には“セルフ聖地”が存在!? ガチ聖地風も「実は非公式です…」なぜこんな状況に?

九州の山奥に「ととろのバス停」という観光スポットが存在しています。スタジオジブリの名作アニメ『となりのトトロ』を連想させますが、実は複雑な歴史が関係していました。

「非公式」なのになぜ?

 その方によると、バス停が作られたのは昭和35(1960)年頃で、屋根付きの建物はその人物の祖父が大工として自発的に建てたものだそうです。最初は設置された場所も異なり、いまの場所から少し離れた所にあり、道を挟んだ反対側に流れる川の上に土台を組んで作られていました。

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「ととろのバス停」に置かれたサツキ、メイ、トトロの手書き看板(布留川 司撮影)。

 最初はただのバス停でしたが、映画『となりのトトロ』のヒットによって注目されるようになり、福岡のテレビ局の深夜番組で紹介されるとその知名度は一気に広がっていき、いつしか九州近辺のジブリ作品ファンたちが訪れるようになったそうです。

 現在、バス停に展示されている看板は、そんなファン達が自発的に置いていったものということで、その作者は不明だといいます。また、看板以外にも「トトロ」の置物や人形なども置かれていき、その数が膨大になったことから、バス停から50メートルほど離れたところに「ととろの森」という展示スポットも整備されています。

 大分バスの路線バスは2013年に廃止となります。さらに、川の上にあったバス停の建物も、土台が冬場に積もった雪の重みで壊れてしまいます。

 しかし、観光地として有名になった「ととろのバス停」は存続され、建物は現在の場所に移設され、本来はバス路線廃止に合わせて撤去されるはずだった「ととろ」と書かれたバス乗り場の丸看板も、大分バスの特例によってそのまま残されることになります。

 じつは九州には、スタジオジブリ非公式スポットがこの他にもあります。福岡県糸島の芥屋の大門公園の自然遊歩道は劇中と雰囲気が似ていることから「トトロの森」と呼ばれて有名です。

 宮崎県延岡市の北川町川内名にある集会場の広場には「天空の城 ラピュタ」のロボット兵や『千と千尋の神隠し』の「カオナシ」のオブジェが並んでおり、地域の憩いの場として活用されています。

宮崎県西諸県郡高原町蒲牟田と宮崎県日南市富土の個人宅の敷地には、それぞれハンドメイドの「トトロ」の巨大なオブジェがあり、ファンの間では知られた存在となっています(個人の敷地のため見学には注意)。

 これら非公式ジブリスポットは、それぞれが作品愛に基づいて自然発生的に作られたものであり、あらためてジブリ作品の知名度と影響力を感じさせてくれます。「ととろのバス停」も、こうした地域住民やファンの手によって自然発生的に育ってきた非公式スポットのひとつということができるでしょう。

【写真】ほぼまんまじゃ…これが「トトロの勝手に聖地駅」驚愕の全貌です

Writer:

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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