甲板に巨大な「柱」が!? 横浜大さん橋に現れた「異形の船」の正体 運ぶのは“世界の邪魔者!?”

2025年末、ふだんはクルーズ船が停泊する横浜の大さん橋に、珍しい船が現れました。甲板に巨大な「柱」のような構造物が立ち、「動くプラント」のような異様な雰囲気を放っていた船は、世界初のプロジェクトに投入されるものです。

横浜港に現れた「スゴい船」

 2025年末の横浜港・大さん橋客船ターミナルに、巨大な柱のような構造物を載せた珍しい船が現れました。船名は「NORTHERN PHOENIX」。船尾にはノルウェー国旗が掲げられていました。

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横浜大さん橋に寄港したNORTHERN PHOENIX(深水千翔撮影)

 この船は、世界初の本格的な二酸化炭素回収・貯留(CCS)プロジェクトで輸送と貯留を担う「ノーザンライツプロジェクト」へ投入する液化CO2(LCO2)船として竣工したばかりの新造船。船舶管理は日本の大手船社・川崎汽船グループが手掛けています。

「NORTHERN PHOENIX」は中国・大連船舶海洋工程で建造され、12月2日に引き渡されました。ノルウェーのエクイノールや英シェル、仏トタルエナジーズといったエネルギー企業大手が出資する「ノーザンライツ」向けのLCO2船としては3番船に当たります。

 船舶管理は1番船の「NORTHEN PIONEER」や2番船の「NORTHERN PATHFINDER」と共に川崎汽船の英国子会社Kラインエナジーシッピングが引き受けており、欧州への回航前に日本で「NORTHERN PHOENIX」の船内見学会を開くため、12月16、17の両日、横浜港に寄港。そのため、主にクルーズ船が入る大さん橋に、貨物を運ぶLCO2船が接岸したというわけです。

 甲板から伸びる巨大な柱のような構造物は、ローターセイル(円筒帆)と呼ばれる風力補助推進装置です。風と回転シリンダーを利用して推進力を生み出します。「NORTHERN PHOENIX」にはフィンランドのノルスパワーが開発した高さ28mのローターセイルが備わり、航海中のCO2排出量を約5%削減できると見込まれています。

 このほか、主燃料としてLNG(液化天然ガス)を使用し、さらに船体抵抗を低減させる空気潤滑システムや主機関排気監視システムなど、さまざまな環境技術を採用することでGHG(温室効果ガス)の削減を図っています。

「NORTHERN PHOENIX」のLCO2の積載容量は7500立方メートルで、最大圧力19バール、最低マイナス35度の低温に耐えられる完全加圧式のカーゴタンクで運びます。甲板にはこのカーゴタンクのほか、ブリッジ側にLNG燃料タンクが、船首に高さ28mのローターセイルが設けられ、それらが複雑な配管でつながれています。このため、全長130m程度でありながら工場のプラントのような重厚な雰囲気を漂わせていました。

 では、このローターセイル搭載・LNG燃料のLCO2船という「NORTHERN PHOENIX」が投入されるプロジェクトとは、どのようなものなのでしょうか。

【な、なんじゃこりゃ…】まるで「動くプラント」 横浜大さん橋に現れた異形の船(写真で見る)

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