民間機のような見た目だけど実は自衛隊所属? 政府要人や皇族が乗る「日本の政府専用機」どんな特徴が

各国には、安全保障の観点から、政府要人の移動のために、政府が管理している機体がります。日本のものは見た目が「ほぼ民間機」ですが、どのような特徴があるのでしょうか。

政府専用機の役割とは?

 各国には、安全保障の観点から、政府要人の移動のために政府が管理している航空機があります。これを政府専用機といいます。日本国政府の場合、皇族や政府要人の輸送、在外自国民の保護などに使用される航空機が該当し、双発エンジンの大型旅客機として知られるボーイング777-300ERがベース機として使用されています。

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日本の政府専用機(画像:防衛省)

 同機は航空自衛隊が管理・運航を行っています。真っ白な機体に流れるような赤いライン、そして「自衛隊一大きな日の丸」ともいわれる国籍マーク(ラウンデル)を尾翼に掲げている点が大きな特徴です。正式には「日本国政府専用機」と呼称されます。

 日本が政府専用機の運用を開始したのは1992年で、他国と比べると比較的最近といえます。それまでは、JAL(日本航空)の特別機が外国訪問などのたびに使用されていましたが、1970年代以降に相次いだハイジャック事件への懸念や、国際化のさらなる進展に対応するため、各国の例にならい導入されることとなりました。なお、導入当初の機体は「ジャンボ機」ことボーイング747でした。

 日本の政府専用機は、主務機と副務機の2機体制で運用されています。要人輸送の際には、必ず2機セットで運用することが基本的なルールとなっています。

 これは、1機が訪問国でトラブルなどに見舞われた場合でも、もう1機が随伴していれば、そちらに乗り換えることで予定を遅延させることなく輸送任務を継続できるためです。

 なお、政府専用機導入当初から、本来は要人を搭乗させる主務機、随行する副務機、さらに基地で待機し非常時に備える代替機の3機体制での運用が望ましいという意見もたびたび出されています。しかし現状では、予算などの制約もあり、2機体制が維持されています。

 ちなみに、皇族と首相などの政府要人の予定が重複した場合には、皇族が優先されるケースが多く、その場合、2026年現在ではANA(全日空)の特別機が首相などに割り当てられます。

 ただし、皇族の海外訪問と総理大臣の海外訪問の目的地や日程が重なった際に、それぞれ1機ずつ、予備機なしで政府専用機が使用された例もあります。1999年に行われたヨルダン国王フセイン1世の国葬がその例です。

 この際はヨルダン王室との友好関係を考慮し、天皇皇后両陛下の名代ではなく、天皇皇后両陛下(現・上皇・上皇后)が出席するとともに、政府の長である首相(当時は小渕恵三氏)も参列する必要がありました。そのため、双方が主務機扱いとなるという異例の運用が行われました。

 また、政府専用機は要人輸送だけでなく、緊急時の邦人輸送や物資輸送にも活用されています。2021年には、アフガニスタン情勢悪化に伴う邦人輸送のため、隣国パキスタンに派遣されました。さらに2023年には、トルコ・シリア地震の発生を受け、現地で活動する国際緊急援助隊医療チーム向けの資材などをトルコへ輸送した実績もあります。

【画像】機内のスタッフも実は自衛官 これが政府専用機の内部です

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