日の丸フリゲートが選ばれた裏で…豪州の哨戒艦計画がボロボロな件 仕様変更にメーカー撤退 日本は「乗り越える覚悟」あるか
日本が設計した新型FFMが選定され、一躍注目を集めている日豪の防衛協力。しかしその裏で、豪海軍の哨戒艦計画は迷走を極めています。アルミ船体の亀裂、工期の遅れ、そしてメーカーの撤退まで。日本が学ぶべき教訓とは何なのでしょうか。
工期の遅れと調達削減の影響は大きくなかった!
アーミデール級哨戒艇は2005年から2008年にかけて計14隻が引き渡されましたが、艦内における有毒ガスの発生や、船体の亀裂および腐食、排気系への浸水といったトラブルが頻発し、2021年以降次々と退役。2025年12月4日に最後の3隻が引退しました。
ただ、その一方で不法入国の阻止をはじめとした多様な任務への対応が増大しており、この種の艦艇の増備が要求されました。
そこで建造されたのが、アラフラ級哨戒艦です。同艦はドイツの造船大手リュルセングループ(現NVL)が開発した「OPV80」をベースとしており、2025年6月に1番艦の「アラフラ」が就役しています。
アラフラ級の満載排水量は約1640トン、全長は80m。船体は鋼鉄製で、荒天時の安定性と抗堪性が大幅に向上しました。これは広大な国境の哨戒任務を遂行するとともに、地域の安全保障への関与、人道支援、災害救援、法執行活動など、より広範な任務を支援するためのもので、従来は帰港を余儀なくされた海象下でも任務継続を可能にしました。
艦尾には広大なミッションデッキを備え、コンテナ化された無人機システム(UAS)、機雷戦用機材、ダイビング支援ユニット、もしくは災害救援物資などを搭載可能。艦尾には飛行甲板が設けられ、中型ヘリコプターの発着艦ができます。また、無人航空機(UAV)の運用能力も付与されています。
国境警備の要となる臨検能力に関しては、艦尾に2隻の大型複合艇(RHIB)を搭載し、専用のスターンランプ(滑走台)から即座に展開・揚収が可能です。
一方でアラフラ級の調達数は当初の12隻から6隻に削減されています。40mm機関砲の搭載もキャンセルされ、主武装は25mm機関砲1基と12.7mm重機銃2丁へ変更。ただ、工期の遅れと調達削減の影響により、NVLはオーストラリアを撤退。さらに、リュルセン・オーストラリアの株式が地元の造船会社シヴメックへ譲渡されることにもなりました。結果、アラフラ級は、オーストラリアのオズボーン海軍造船所で2隻、シヴメックのヘンダーソン造船所で4隻の建造にとどまっています。
ただ、これではオーストラリアが望む海洋哨戒能力の維持は無理です。実際、アラフラ級の納入遅れとアーミデール級の深刻な老朽化に直面した同国海軍は2020年5月、オースタルにエボルブ・ケープ級哨戒艦6隻を一括で発注しました。





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