「トイレに行きたいのに停められない!」トラック運転手の切実すぎる事情 「まず考えるべきは…」専門家が訴える解決のカギとは
ただでさえ自動車を運転中にトイレに行きたくなるのは辛いものですが、トラック運転手たちにとってはまさに深刻な悩みだといいます。この「ドライバーのトイレ問題」の解決は、トラックドライバーの現場にとっての悲願と言っても過言ではありません。
問題解決どうすれば… カギは”トラックドライバーという職業”への理解
こういった事情から、トラックドライバーの中には、体に多少無理を強いて、少しでもトイレに行く頻度を減らそうとする人もいると島崎准教授は言います。
「水分を控えることでトイレの回数を減らしたり、トイレを我慢する人も少なくありません。これは健康面から見ても非常に問題が大きく、脱水や腎機能への影響が懸念されます。車内で済ませることよりも、『水分を我慢すること』のほうが身体にとって危険です」(島崎准教授)
これらトラックドライバーにとっての「トイレの問題」を解決するために、できることはないのでしょうか。島崎准教授は「『トイレ対策』の具体的な対策は思いつかないが、トラックドライバーの存在や立場を社会全体が理解し、まずは寛容に接することが必要ではないかと言います。
「結局のところ、トラックドライバーにとっての『トイレの問題』は、ドライバー個人の努力では解決できません。それよりもまず必要なことは、トラックドライバー社会全体がもう少し寛容になること。 まず、⼀般の⼈たちが『トラックドライバーも⽣活者であり、社会を⽀える存在』であることを理解することが大切です。環境や騒⾳の問題ばかりに目をやるのではなく、トラックドライバーの背後にある事情にも⽬を向けることが⼤事なのではないでしょうか。自然と『トイレの問題』など、トラックドライバー特有の切実な問題も理解してもらえるのではないかと思います。
次に、荷主や取引先企業が寛容になること。到着時間を過度に厳格化せず、トイレの使用を歓迎したり、社内に待機用のスペースを設けてエアコンの効いた部屋で休めるようにするなど、少しの配慮で、トラックドライバーの状況は大きく改善します。こういったことは今後、なんらかの法制度化を目指しても良いかもしれません」(島崎准教授)
まずは「トイレの問題」だけにフォーカスするのではなく、トラックドライバーという職業とその背景にある課題に、社会や多くの人が注目することで、自ずとこういった問題への配慮や思いやりも生まれてくるだろう、ということのようです。島崎准教授は、最後にこう結んでくれました。
「トラックは無機質な鉄の箱ではなく、人が運転しています。物流を支えるのは『人間の力』です。お金を払っているからそれでいい、ではなく、支えてくれている人への理解と尊重を社会全体で持つことが、この問題の本質的な解決につながると思います」(島崎准教授)
なお、島崎准教授は2025年10⽉より、運転⼼理と安全リスクなどについて解説するポッドキャスト番組『プロフェッショナルドライブ』を配信しています。元トラックドライバーで交通⼼理⼠、さらに現役の⼤学准教授というマルチな⽴場から、運転にまつわる多彩なトピックを展開していますので、ぜひご視聴ください。
Writer: 松田義人(ライター・編集者)
1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。





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