「追越車線に出てきて延々通せんぼ」トラックだって焦ってる? トラック側の言い分とは
高速道路を走っていると、追い越し車線をふさぐようにして走る大型トラックにより、後続車が渋滞を起こしている光景をよく目にします。ともすると「邪魔だなぁ」とも思われるこの現象、大型トラック側の言い分はどのようなものなのでしょうか。
トラックは追越車線に出てこないでほしい…
高速道路の追越車線を80km/h程度で走行をする大型トラック。後続車両がプチ渋滞を起こしていて、「早くどいてくれないかな」とイライラしたことがある方も少なくはずです。しかし、当の大型トラックはなかなか走行車線に戻ってくれません。
一方、トラックドライバーの立場に立ってみれば、走行車線に早く戻りたくても、様々な要因が重なりなかなか戻れず、むしろ焦っている……ということもありそうです。それでは、「大型トラックが走行車線になかなか戻れない」事情とは、一体どのようなものが考えられるでしょうか。
元大型トラックドライバーの交通心理士で、近畿大学・理工学部の島崎敢准教授は、「大型トラックが走行車線になかなか戻れない」理由について、こう解説します。
「高速道路におけるトラックの法定速度は90km/hに定められています。そして、トラックには『タコグラフ』という速度を記録する装置がついていて、所属会社は安全管理のためにチェックしています。
この『タコグラフ』によって速度オーバーが見つかると、ドライバーは会社から怒られ場合によっては減給などのペナルティを課されるところもあります。さらに、『タコグラフ』の記録は監督官庁からの抜き打ち検査もあり、速度オーバーがあると会社も国土交通省から指導を受けるので、ドライバーはみんな速度管理に非常に気を使っています。
ただし、この『気の使い方』は会社やドライバーによって微妙に異なり『90km/hギリギリまでOK』という考えもあれば、『安全優先で85km/hにしておこう』という考えもあります。さらに『90km/h』は最近改正された速度なので、改正前の『80km/h』を独自で維持しようという会社もあります。ドライバー自身も、過去に速度違反をした経験から『もう絶対超えないようにクルーズコントロールを88km/hにセットする』など、細かく意識しています。
こういった事情から、仮に走行車線を走る車の車間が空いても、スピードを出すことができず、結果的に走行車線になかなか戻ることができない、ということはかなりあると思います。
乗用車なら、そこだけアクセルを踏んでスッと走行車線に戻ることもできますが、トラックにはそれができないというわけです。もちろん、多くのトラックドライバーは後ろからやってきた乗用車などに追いつかれて『ごめーん』と思っているはずですが、ペナルティを課されるわけでにもいかず、法定速度内ギリギリで走らざるを得ない事情があるのです」(島崎准教授)





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