いつでも「ホームに人があふれてます」 見放され続ける大混雑ターミナル駅いつ変化 兆しはあるが望み薄? 高田馬場の憂鬱
JR山手線の高田馬場駅は、利用者が多いわりに駅構内が狭く、いつも混雑しています。抜本的な対策はいくつか浮上していますが、変化は訪れるのでしょうか。
乗り換え客削減の構想も
しかしその後はホーム中ほどにエスカレーター・エレベーターを設置した以外、駅構内に大きな変化はありません。2013(平成25)年にホームドアが設置され、転落事故の不安はなくなりましたが、抜本的な対応はできなかったのでしょうか。
実は山手線ホームの拡幅ではありませんが、混雑を劇的に解消できる計画がかつてありました。それが「埼京線高田馬場駅」構想です。1970年代末の国鉄部内資料によれば、山手貨物線内回りを用地いっぱいに移動させ、線間を広げて幅最大7mのホームを新設し、連絡階段を増設、拡幅する構想でした。
ところが1980年代に入って埼京線の計画が具体化すると、高田馬場は旅客流動面から新宿、渋谷と比較して利用者が少なく、効果が少ないとして設置は見送られました。要因の一つは工事の難易度と費用でしょう。埼京線池袋以南の停車駅は新宿・渋谷・恵比寿・大崎ですが、いずれも貨物駅や貨物列車用側線跡地を転用したものです。
一方、高田馬場は旅客専用駅であり、東西を繁華街に挟まれています。また、神田川と駅戸山口の標高差は約15m、駅を中心に東西も3~4mの高低差がある緩やかなすり鉢状の地形です。そのため早稲田口側は陸橋、戸山口側は盛土・築堤という複雑な構造となっています。費用対効果を考えると困難なのは確かです。
もう一つの混雑緩和策は、乗り換え利用者の削減です。都市交通年報によれば駅利用者の約3割が山手線と西武新宿線の乗り換え客。西武新宿駅は他路線の新宿駅と離れているため、乗り換え客の多くは高田馬場を利用します。
西武は近年、新宿線の沿線価値向上に取り組んでおり、後藤高志会長は2024年度決算説明会で東西線との相互直通運転の実現に向けて取り組む意向を表明しています。
もっともこれは「決意表明」であり、具体的な動きがあるわけではないようですが、仮に東西線落合駅付近から乗り入れた場合、山手線のみならず東西線ホームの混雑も解消するでしょう。
高田馬場に変化は訪れるのか、再開発構想の行方とともに注目していきましょう。
Writer: 枝久保達也(鉄道ライター・都市交通史研究家)
1982年、埼玉県生まれ。東京地下鉄(東京メトロ)で広報、マーケティング・リサーチ業務などを担当し、2017年に退職。鉄道ジャーナリストとして執筆活動とメディア対応を行う傍ら、都市交通史研究家として首都圏を中心とした鉄道史を研究する。著書『戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団』(2021年 青弓社)で第47回交通図書賞歴史部門受賞。Twitter:@semakixxx





コメント