「これは特急ですか?」うっかり間違えそうな1日2本だけの“普通列車”が快適すぎる! のんびり3時間半の旅
JR予讃線の松山~宇和島間には、ちょっと豪華な普通列車が走っています。乗車すると、早朝にこの車両を使っている理由が見えてきました。
実際に乗ってみた
松山を出発すると、列車はキビキビと加速します。車内はガラガラで乗客は8人のみ。市坪で1人乗車、北伊予で2人下車と、こまめに乗降がありました。南伊予は目の前の車両基地が壮観ですが乗降はなし。
6時10分の伊予市到着まで乗降なし。8分停車なので駅のトイレを使ってくださいと車内放送が流れます。1人乗車して出発。
ワンマン設備がないため、2両編成ながら車掌が乗務しており、デッキを通る度に頭を下げるのも特急列車のような雰囲気です。6時22分の向井原から「愛ある伊予灘線」の愛称が付いた伊予長浜経由の予讃線旧線に入ります。6時35分着の伊予上灘で17分停車。再び「トイレは駅で」の案内が流れました。
6時58分の下灘付近で周囲が明るくなります。海が目の前に迫る駅で景色が美しく、観光特急「伊予灘ものがたり」の観光スポットにもなっている駅です。ただ、朝7時では乗降客もなく静かでした。
動きがあったのは、7時14分の伊予長浜から。18人が乗車してきました。大半が高校生ですが、年配の乗車も見られました。伊予出石で高校生22人が乗車、伊予白滝で3人、八多喜で7人、春賀で11人乗車・2人下車、五郎で2人乗車と次々に増えて、車内はにぎわいます。
2両編成の座席はかなり埋まってきました。これがロングシート車両2両なら立客が出ていたでしょう。座席の多い特急形の強みを生かした運用といえます。
内子線と合流して、7時43分伊予大洲着。ここも8分停車でトイレ案内の放送が流れます。大量の高校生が下車し、入れ替わりで内子線からの乗客を含め少なくとも30人以上が乗ってきたため、座席の多くは埋まったままです。乗車率は70%程度に見えました。
ちなみに伊予大洲ですれ違った宇和島発の普通列車628Dも、同じキハ185系の普通でした。
西大洲で4人、伊予平野で3人が乗車。8時12分の八幡浜で93人が下車し、5人が乗車します。車内はかなり空きましたが、双岩で1人乗車、上宇和で1人乗車・2人下車。列車は30km/hほどでのんびり走ります。
上宇和で1人乗車・2人下車、卯之町で1人乗車、下宇和で2人乗車と、こまめに乗降があります。宇和島に近付くと海が見えてきますが、特急では一瞬の区間が、普通列車だとのんびり眺められます。高光から下車する客が増え、9時19分着の宇和島で8人が下車しました。
松山~宇和島間は、日中の特急「宇和海」だと1時間33分。これに比べると今回の普通列車は3時間半と長旅でしたが、特急形の車内は快適で清掃も行き届いており、楽しい普通列車の旅でした。
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。





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