石油じゃなくて「メタノール」これぞ現実的な次世代燃料? イラン情勢は大丈夫なのか?
大手船社らが連携し、横浜港で外航メタノール燃料船へ燃料を供給するトライアルが実施されました。新たな船舶燃料として期待されるメタノールはメリットもありますが、供給地の情勢は不安に。どうなるのでしょうか。
なぜ「メタノール」? 横浜港も後押し
メタノール燃料は、CO2(二酸化炭素)排出量を最大で15%削減できる、環境に優しい燃料として注目されています。SOx(硫黄酸化物)やPM(粒子状物質)は9割以上、NOx(窒素酸化物)も8割減らすことができるため、厳しい環境規制にも対応可能です。
三菱ガス化学の三嶋悠之さんは「メタノールは常温常圧の液体なので、他の代替燃料と比べて取り扱いが容易だ。バイオメタノールやグリーンメタノールが広がっていけば、GHG(温室効果ガス)の削減にも十分に寄与できる」とメリットを強調します。
新燃料としてLNG(液化天然ガス)やアンモニアも注目されるなか、メタノールのメリットはバンカリング専用船や設備を用意することなく、既存の化学製品輸送船や陸上インフラをそのまま使える点が挙げられます。
横浜市は環境に配慮した船舶に対するインセンティブ制度を設けており、「第七甲山丸」は2026年1月に拡充したメタノール燃料船に対する入港料の減免適用第1号となっています。横浜市港湾局の中村 仁カーボンニュートラル担当課長は「メタノールバンカリングは、カーボンニュートラルポート(CNP)推進の一環。協力企業の皆さんの力を結集し、港湾の国際協力の強化につなげていきたい」と話していました。
三嶋さんは「メタノールバンカリングができる場所があることは、日本船主がメタノール燃料船を発注するという意欲にもつながってくるのではないか」と、バンカリング拠点の重要性を語ります。
横浜港内でのメタノールバンカリングを巡っては、2024年9月に「英華丸」と海運世界大手マースク(デンマーク)の1万6000TEU型コンテナ船「ALETTE MAERSK」を使用したシップ・ツー・シップ方式のシミュレーションが行われています。この時の知見や、メタノールを含む化学品の国内輸送などの実績、そして国土交通省港湾局が開催した「メタノールバンカリング拠点のあり方検討会」で示された基準・安全対策などを踏まえ、実際にメタノールを供給するトライアルが実現しました。





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