石油じゃなくて「メタノール」これぞ現実的な次世代燃料? イラン情勢は大丈夫なのか?

大手船社らが連携し、横浜港で外航メタノール燃料船へ燃料を供給するトライアルが実施されました。新たな船舶燃料として期待されるメタノールはメリットもありますが、供給地の情勢は不安に。どうなるのでしょうか。

日本初の「シップ・ツー・シップ」方式でメタノール供給

 大手船社の商船三井、三菱ガス化学、出光興産などが連携し、横浜港で外航メタノール燃料船への燃料供給(バンカリング)が2026年2月6日に横浜市金沢沖で行われました。錨地で燃料供給船を商用運航中の船に横付けし、船から船へ燃料を供給するシップ・ツー・シップ(STS)方式のメタノール燃料バンカリングは日本で初めてのことです。

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バンカリングを受けた5万トン級メタノール輸送船「第七甲山丸」。後ろから「英華丸」が近づく(深水千翔撮影)

 メタノールは国際海運で環境に優しい次世代燃料のひとつとして期待されています。国内でもこうしたバンカリング普及に向けた取り組みが進んでいますが、どのようなメリットがあるのでしょうか。一方で、供給地の情勢は不安に包まれています。

 今回、燃料の供給を受けたのは韓国・現代尾浦造船で2025年5月に引き渡された、新鋭メタノールDF(2元燃料)メタノール輸送船「第七甲山丸」(載貨重量4万7960トン)です。船主は栄福海運(広島県呉市)で、運航を担う商船三井(港区)から三菱ガス化学(千代田区)が長期用船しています。

 同船はサウジアラビアからのメタノール輸送に投入されており、三菱ガス化学グループのMGCターミナル千葉事業所でメタノールを荷揚げした後、バンカリングを行う横浜港に移動しました。

 バンカリング船の役割を担ったのは内航船社の国華産業(港区)が運航するケミカルタンカー「英華丸」(498総トン)です。通常は東京湾内を拠点に国内のメタノール輸送に使われており、最大で900トンのメタノールを供給できます。

 メタノールバンカリングのトライアルでは、まず錨泊している「第七甲山丸」側で安全確認を行った後、待機していた「英華丸」がゆっくりと近づいて船体を横付けし、係留索を両船の間に渡しました。接舷が完了すると「英華丸」に搭載しているホースを「第七甲山丸」のクレーンで船上へ吊り上げ、メタノールタンクへと続く配管のマニホールド(接続口)と接続。「英華丸」から「第七甲山丸」へと燃料の供給が始まりました。

【ド迫力!】これが「巨大船へ横づけしてメタノール供給」の様子です!(写真35枚)

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