世界中から「戻して」と言われた!? ベンツの最新セダンで“先祖返り”した装備とは 「Sクラス」改良型デビュー
メルセデス・ベンツ日本が、フラッグシップモデル「Sクラス」の改良型を発表しました。車両の半分以上を刷新する大規模なものですが、その一方で、従来まで採用されてきた装備へと“戻す”改良も行われています。
最新AI技術と「これまで通りのスイッチ」を採用
メルセデス・ベンツ日本は2026年6月11日、フラッグシップモデル「Sクラス」の改良型を発表しました。ソフト面では最新のデジタル技術を駆使したアップデートが行われた一方、従来まで採用されてきた装備へと“戻す”改良も行われています。
新しいSクラスは、2020年にデビューした現行の7代目(W223系)のマイナーチェンジモデルです。今回の改良では車両全体の約50%以上に相当する、約2700点の部品を新規開発(または再設計)したとのこと。マイナーチェンジとしては大掛かりなものとなっています。
特に、音声認識やナビゲーション、AIによる学習機能などを持つインフォテインメントシステム「MBUX」は、新しい第4世代へと移行。音声対話型のバーチャルアシスタントは、ChatGPTとMicrosoft Bing、Google Geminiという3つの生成AIを統合的に活用するものへと進化しました。
メルセデス・ベンツ日本の担当者は、「例えば車両の機能解説などはChatGPT、対話などはGoogle GeminiやMicrosoft Bingというように、話しかけた内容にもっとも適したAIを、クルマ側が自動で選んでくれるようになった」と説明しています。
その一方、逆に従来まで採用されてきた方式へと戻されたのが、ハンドル部分のスイッチです。改良前のSクラスは、ハンドルに配置された運転支援システム「ディストロニック」や、音量調整のスイッチがタッチパネル式になっていました。
「現行モデルに移行した時期は、デジタル化の推進がひとつのトレンドでした。そのため、『できるだけボタンをなくす』方向性で設計が進められたのです」(メルセデス・ベンツ日本の担当者)
しかし、実際に販売が開始されると「タッチだとうまく操作できない」「反応しているか即座にわからない」など、ユーザーからは不評も少なくなかったそう。担当者も「実際乗っていて、手が乾燥していると反応しない場面がありました。そうすると、反射的に目線がスイッチへと下がってしまいました」と話します。
また、大型高級セダンであるSクラスの購買層は年齢が比較的高く、こうした高齢ユーザーからは「日本だけではなく、世界各国のオーナーから改善の要望を多数いただいた」とのこと。
「実際に押せていても、手ごたえがないと本当に操作できているかわかりません。こういった部分は、結局のところ安全性の面で良くないということで、物理ボタンに戻しました」(同)
一時は大流行したタッチパネル式の操作スイッチですが、近年はメルセデス・ベンツだけでなく、フォルクスワーゲンやフェラーリといった他のメーカーも“物理ボタン回帰”へと動いています。安全性に直結する系統については、今後もこうした改良が進んでいくのかもしれません。





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