ホルムズ海峡閉鎖!→自衛隊は「日本の生命線」でタンカー守れるのか? 現行法での“ギリギリの対応”とは

中東情勢の緊迫化で、世界の石油・天然ガスの大動脈であるホルムズ海峡が事実上封鎖されました。もしアメリカなどから民間船の護衛を依頼された場合、海上自衛隊は現行法で対応できるのでしょうか。

唯一残された道? 自衛隊による「武器等防護」とは

 とすると、自衛隊による対応は事実上不可能ということになるのでしょうか。じつは、防衛出動による対応を除き、一つだけ武器を使用した対応が可能になる方法があります。それが「武器等防護のための武器の使用」です。

【ケース3 武器等防護のための武器の使用】

 武器等防護のための武器の使用は、自衛隊法第95条に規定されています。これは、おもに平時に、自衛隊が装備する「武器等(武器、弾薬、火薬、船舶、航空機、車両、有線電気通信設備、無線設備または液体燃料)」が奪われたり破壊されたりすることを防ぐために、その武器等を守る役割を与えられた自衛官が、武器を使用してこれを防護する、という規定です。その目的は、自衛隊が装備する武器等が奪われたり破壊されたりして、自衛隊の能力が低下し、ひいては日本の防衛力そのものが低下するのを防ぐことにあります。

 この規定による武器使用は、「(1)武器を使用できるのは、職務上武器等の警護に当たる自衛官に限られていること」、「(2)武器等を退避させてもなおこれを防護することができないなど、他に手段のないやむを得ない場合でなければ武器を使用できないこと」、「(3)武器の使用は、警察比例の原則に基づき、事態に応じて合意的に必要と判断される限度に限られていること」、「(4)防護対象の武器等が破壊された場合や、相手方が襲撃を中止し、または逃走した場合には、武器の使用ができなくなること」、「(5)正当防衛または緊急避難の要件を満たす場合でなければ人に危害を与えてはならないこと」という、非常に厳しい要件が設けられています。

 しかし、その厳しい要件のおかげで、この規定に基づいて仮に他国の軍隊に対して武器を使用したとしても、憲法が禁じる武力の行使には当たらないというのが日本政府の見解なのです。

「このような武器の使用(筆者注:武器等防護のための武器の使用)は、自衛隊の武器等という我が国の防衛力を構成する重要な物的手段を破壊、奪取しようとする行為からこれらを防護するための極めて受動的かつ限定的な必要最小限の行為 であり、それが我が国領域外で行われたとしても、憲法第9条第1項で禁止された『武力の行使』には当たらない」(自衛隊法第95条に規定する武器の使用について (平成11年4月23日 衆議院・日米防衛協力のための指針に関する特別委員会 理事会提出資料))

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