箱根登山電車に新「アレグラ号」3100形登場、箱根観光より楽しく 急カーブがポイント(写真30枚)

「水」をまきながら走っている箱根登山電車、その理由は?

 箱根登山電車では「水」をまきながら走行しています。かんたんにいえば、車輪とレールが強くこすれる急カーブで、レールの摩耗を抑えるためです。一般的にはそのような場合、油を使う場合が多く見られますが、箱根登山電車は80パーミルという一般的な鉄道では日本一急な坂道があるなど、油を使うと安全上の懸念があるため、水をまいて摩耗を抑えつつ、走っているのです。「80パーミル」とは、水平距離1000mあたり80mの高低差がある坂道、という意味になります。

 このたび登場する3100形「アレグラ号」も、約350リットルの水タンクを2両編成の4か所に搭載。状況によって異なるものの、箱根湯本~強羅間(片道8.9km)の往復で、およそ半分の水を使うそうです。

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左に水タンク。車輪の左下付近に、水が出るホースがある。
車輪間にレール圧着ブレーキ。急坂での安全性を確保するための、登山鉄道らしい装備。
3100形「アレグラ号」の車内。

 箱根登山鉄道によると、3100形「アレグラ号」は次世代の標準車両という位置づけで、その導入により輸送力増強などが実現するそうです。

 また3000形、3100形「アレグラ号」のデザインは、箱根観光における“顔”のひとつである小田急電鉄の特急ロマンスカー50000形「VSE」などと同じ、岡部憲明アーキテクチャーネットワークが担当しています。箱根登山鉄道は小田急グループです。

【了】

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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

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1件のコメント

  1. 抗アレルギー薬の名前をわざわざ付けなくてもいいのに