世界のものさし「パナマックス」とは? パナマ運河103年、拡幅から1年

パナマ運河は太平洋と大西洋をつなぐ海上交通の要所のひとつで、ここを通峡できる船のサイズが世界の海運に大きく影響しています。拡幅されてまもなく1年、なにが変わったのでしょうか。

「パナマックス」拡大で世界はどう変わった?

「パナマックス」より大きな船のことを、海運業界では「ポストパナマックス」と称します。そうした大きな船が、たとえばアメリカ東海岸から日本に向かおうとする場合、「南米最南端のマゼラン海峡やドレイク海峡は、距離が長いことや、天候が不安定で専用の水先人をつける必要があるため、一般的には喜望峰を経由します」(日本郵船)といいます。

「アメリカ東海岸から日本まで、パナマ運河経由ですと約21日、喜望峰経由は約36日かかります」(日本郵船)

 その日数の差は歴然です。なお、このときスエズ運河経由の場合は約34日ですが、「運河の通航料なども勘案すると、喜望峰経由のほうが一般的」といいます。

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パナマ運河を通峡する日本郵船のLPG運搬船「Lycaste Peace」(画像:日本郵船)。

 2016年、パナマ運河の拡幅工事が約10年の歳月を経て完了し、パナマックスも拡大しました。現在、通峡可能なサイズは全長366m、全幅49m、喫水15.2m、喫水上の高さ57.91mとされており、長さにして約72m、幅約17m、喫水約3mの拡大です。同年6月27日、これを日本郵船が運航するLPG船「Lycaste Peace(リカステピース)」が初めて商用通峡しましたが、同船は全幅が36m以上あり、かつてのパナマックスをオーバーするサイズでした。ちなみに、日本籍船として1914年に開通間もないパナマ運河を初めて通峡したのも、日本郵船が運航していた「徳島丸」だったそうです。

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1914年に日本籍船として初めてパナマ運河を通峡した、日本郵船の「徳島丸」(画像:日本郵船歴史博物館)。

「これでまでポストパナマックス型とされていた自動車専用船が通峡できるようになったり、米国で産出されたシェールから作られるLPガスを、より大きな船で早く輸送したりできるようになりました」(日本郵船)

 輸送日数が短縮されることは、輸送費用に反映され、ひいては小売価格に影響します。例に挙がったLPガスは、家庭用プロパンガスなどの原料になるものです。地球の裏側の「パナマックス」という、ふだんの生活からは縁遠い「ものさし」の拡大が、実はごく身近なところにも影響しているといえるでしょう。

【了】

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コメント

3件のコメント

  1. 一般には「交通の要衝」と言っていたのですが最近変わったのですか???

  2. 東MAXももっと頑張れ

  3. どのみち米空母は無理か。

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