JAL、北海道から香港へ初出荷 日本の農業&地域活性化に輸送ノウハウ活用(写真21枚)

JALがその輸送ノウハウを活用し、日本の農産物を輸出する取り組みを開始。農業や地域の活性化を目指すもので、まず北海道・十勝の農産物が香港へ空輸されました。

北海道から翌日には香港へ

 日本航空(JAL)と(株)農業総合研究所、(株)世界市場が2017年8月29日(火)、JALの輸送ノウハウを活用した国産農産物の輸出を開始しました。

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香港へ向け、帯広空港でJL572便へ積み込まれる北海道の農産物(2017年8月29日、恵 知仁撮影)。

 この日、農産物を北海道・十勝地方の芽室(めむろ)町にある農業総合研究所の芽室集荷場より、帯広空港へ陸送。そこからはJAL CARGO(貨物部門)の、羽田空港経由で日本各地から海外へ輸送する「J-LINK」サービスと、農産物の特性に合わせた定温輸送ノウハウの活用により、JL572便で羽田空港へ、そして翌30日(水)のJL029便で香港へ空輸されています。

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芽室集荷場で行われた初出荷セレモニー。
初日は特別に集荷場へコンテナが持ち込まれた。
通常は空港でコンテナへ積み込む。

 農産物は芽室の農業経営者グループ「なまら十勝野」が栽培したもので、香港と東京近郊のスーパーにスイートコーンやミニトマト、小玉スイカ、ニンジン、ケールなどが届けられました。

「若手農業者に出荷チャンスを広げる素晴らしい取り組みだと思います。十勝のやる気のある生産者を集めて、もっと大きくしていきたいです」(なまら十勝野 代表取締役 小山 勉さん)

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空港でコンテナへ農産物を積み込む。
輸送に使われた保冷コンテナ。乾電池でファンを動かす。
保冷コンテナの冷媒はドライアイス。内部は5度。

 JALによるとこの取り組みは、「地方発農産物の取引拡大」「日本の農産物の輸出拡大」を促進し、「ビジネスとして魅力ある農業の確立」「地域活性化」に貢献することが目的とのこと。北海道銀行の芽室支店長である藤井雅俊さんは「北海道の基盤産業である農業の継続した生産性の維持や、担い手のモチベーション向上を後押しできるのは」と話します。

「北海道にはおいしいものがたくさんあります。JALのノウハウを生かして海外へ空輸することで地域に貢献していきたいと考えております」(JAL 北海道地区支配人 中島喜一さん)

「香港を皮切りに、世界の人へ日本の農産物を届けていきたいです」(農業総合研究所 取締役副社長 堀内 寛さん)

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JL572便へ積載。
ひまわりの花で見送られたJL572便。

 農業総合研究所は日本全国の生産者とスーパーマーケットをITで結び、情報・物流・決済のプラットフォームを構築、「農家の直売所」を展開しています。世界市場は、その「農家の直売所」運営モデルを前提に「NIPPON ICHIBA」を海外へ展開。JALと農業総合研究所、世界市場はそれぞれの得意分野を組み合わせて日本各地の素晴らしい農産物を国内外へ届け、農業の発展・地域の活性化に貢献していくとしています。

【了】

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Writer: 恵 知仁(乗りものライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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