シルバーフェリー宮古~室蘭新航路、所要「10時間」の意味 川崎近海汽船の展望とは

高速道路も開通 宮古の可能性とは

――宮古と室蘭は、地理的にはどのような特徴があるのでしょうか?

 三陸復興の一環として建設が進められている三陸道が開通すれば、宮古~仙台間は3時間と、東北道経由の仙台~八戸間とほぼ同等の所要時間で結ばれるほか、宮古~盛岡間にも高規格のバイパス道路が建設されています。一方、室蘭は札幌までおよそ2時間ですので、苫小牧よりも1時間多くかかりますが、対札幌ではない物流、たとえば北海道の水産物輸送などの利用が考えられます。

 また、宮古港は(「リアス式海岸」などで知られる)三陸海岸、室蘭港は洞爺湖や有珠山など、近隣の観光資源も豊富です。観光面では、八戸~苫小牧航路を利用される方とは目的地が異なってくるでしょう。

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三陸を中心とした道路整備の概要。2016年10月現在(国土交通省の資料を一部加工)。

※ ※ ※

 川崎近海汽船は、フェリーの新航路を開設することは「新たに橋が架かるようなもの」だといいます。本州~北海道ルートの選択肢が増えることで、「新たな物流や人の交流も生まれるかもしれません」と話します。

 宮古~室蘭航路には、現在八戸~苫小牧航路に就航中の「シルバークィーン」が用いられます。ダイヤは、宮古8時00分発→室蘭18時00分着、室蘭20時00分発→宮古翌6時00分着です。

 片道の旅客運賃は2等の6000円から特等の1万5000円まで(いずれも子供半額)で、学生割引も設定されています。乗用車の運賃は4m未満2万800円~(運転者1人ぶんの2等運賃含む)です。このほか、自転車、オートバイ、トラック、手荷物運賃も設定されています(運賃価格はすべて税込)。

【了】

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コメント

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5件のコメント

  1. 当面1隻での往復か。定期点検中や故障時の予備船の手当てはあるのかな?いや、それよりも船員たちの待遇に悪影響出ないのかな。

  2. さすが川崎近海汽船、よく考えているな。
    ダテにフェリーをやってきた訳じゃない。

    だったら新航路も増回を目指してよ?

  3. 室蘭なんて東日本フェリー以来で懐かしいなー、青函にそこそこ古くても豪華な船があったのは休止してた室蘭からの転配だったのかな?

  4. 10時間といったアイデアはいいんだろうが、宮古から本州各地域までのアクセスが思わしくない。
    八戸自動車道は全区間片側二車線だが三陸道は対面通行もある。
    内陸に抜けるにも区界峠超えねなならんし。
    まずはお手並み拝見だな。

  5. 道南バスが札幌・室蘭間の高速バス白鳥号を室蘭フェリーターミナルに乗り入れ、この航路に接続することになりました。道南バスのHPで時刻が見られます。