【動画】ヒグマが棲む山に80年、消えていく「幻の橋」 旧国鉄士幌線タウシュベツ川橋梁のいま(画像32枚)

「幻の橋」と呼ばれる、旧国鉄士幌線のタウシュベツ川橋りょう。次の「雪解け」で、その姿が大きく変わる可能性が出ています。昭和14年に開通したコンクリートアーチ橋で、「北海道遺産」でもあるこの橋のいまを取材しました。

「2018年春」を乗り越えられるのか……?

消えゆく「幻の橋」タウシュベツ川橋りょう。もしかすると2018年の春にも、見納めの可能性があるという(1分23秒)。

 北海道・十勝にある、美しいアーチが連なるタウシュベツ川橋りょうは、「幻の橋」と呼ばれています。

 ヒグマが生息する林道、クマよけの鈴をならし進んだ先のダム湖(糠平湖)にある旧国鉄士幌線の橋です。

 士幌線は帯広~十勝三股間78.3kmを結んでいた路線で、1987(昭和62)年3月23日に廃止。タウシュベツ川橋りょうは、その糠平~幌加間にあったコンクリートアーチ橋で、1939(昭和14)年に開通しました。

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「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群」のひとつとして「北海道遺産」に登録されているタウシュベツ川橋りょう(2017年8月29日、恵 知仁撮影)。

 このタウシュベツ川橋りょうは、ダム湖の水位変動で季節により水没し、姿を消すため、「幻の橋」と呼ばれます。

 しかし近い将来、その姿が変わるかもしれません。厳冬の北海道、橋は内部まで凍結。この氷が溶けるときに橋が壊れやすいといい、そうした要因や地震で、タウシュベツ川橋りょうは崩落が進んでいるとのこと。

 現在はまだアーチが連なる美しい姿を保っていますが、2018年、雪解けの春。いよいよアーチの一部が崩れ、タウシュベツ川橋りょうの姿が変わる可能性があるといいます。

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コンクリートアーチ橋のタウシュベツ川橋りょう。
タウシュベツ川橋りょうの位置(国土地理院の地図を加工)。
往時の面影をいまなお伝える付近の廃駅、幌加。

「修復や保存はしないのか?」という声も多いといいますが、費用をかけて修復しても水没で年の半分しか見られないうえ、水没を繰り返すことなどから30年程度しかもたない見込みだそうです。

「『崩れゆく橋』にも、また魅力があると思います」(NPO法人 ひがし大雪自然ガイドセンター 上村潤也さん)

 そのため今年、タウシュベツ川橋りょうの見学ツアーは例年の5倍以上の人気。また今年は水没が遅く、10月まで橋が見られる可能性もあるとのこと。

 タウシュベツ川橋りょうへの林道は、許可車両以外通行禁止。ヒグマの危険もあるため、ガイドツアーでの見学が推奨されます。

【了】

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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道ライター、イラストレーター。「鉄道」や「旅」に関する執筆活動や絵本の制作を行っているほか、鉄道車両のデザインにも携わる。子供の頃からの旅鉄&撮り鉄で、日本国内の鉄道はJR・私鉄の全線に乗車済み。完乗駅はJRが稚内で、私鉄が間藤。メインは「鉄道」だが、基本的に「乗りもの」好き。

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コメント

2件のコメント

  1. よくぞ昔の方はこんなところに鉄道を敷いてこんな美しい橋を架けたものだと感動します。

  2. 今必死で作っている複複線高架橋も、あと百年すれば・・・いや、維持もできずに街ごと崩壊するのが先か。