【動画】ホームドア、設置は意外な方法!? 珍しい「乗客」の東京メトロ東西線、深夜に走る(写真68枚)

九段下駅で「下車」するホームドア

 そして深夜、9月30日(土)に日付が変わった終電後、電車が九段下駅に到着。“乗客”は29日(金)の昼、行徳車両基地からのったホームドアです。

 ホームドアは九段下駅で“下車”して、準備されていたホームの穴へ固定されていきます。東京メトロでは約2か月前から、ホームでの設置準備を進めてきたとのこと。ホームドア設置にあたって、その重量からホームを補強せねばならない場合がありますが、九段下駅では不要だったため、「約2か月」という比較的短い期間ですんだそうです。

 そして建築限界が問題ないか、かんたんにいえば列車とホームドアの間隔が十分にあり、運行に支障がないかを確認して、設置終了です。

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九段下駅で“下車”するホームドア。このとき運ばれたのは40ドア分(4ドア車10両編成分)。作業しやすい15000系ワイドドア車が使用された(2017年9月30日、恵 知仁撮影)。

 九段下駅ではこのとき、1番線(西船橋方面)にホームドアを設置。2番線(中野方面)も10月初旬に設置され、配線や、乗務員の訓練などを行ったのち、2018年2月から稼働する予定です。

 東西線におけるホームドア本格設置は、この九段下駅が初(これまで同駅ホームの一部でテスト運用はしていた)。2025年度までに東西線の全駅に設置する計画です。なお2017年9月現在、東京メトロ全179駅のうち、ホームドアが設置されている駅は50%とのこと。

 ちなみに今回、ホームドアがのった電車は、終電の少し前に行徳車両基地から九段下駅の引き上げ線へ移動しました。現場に近いところへ送り込んでおき、終電後、速やかに工事へ着手するためです。夜遅くにホームにいると、珍しい「乗客」の電車がやってくるかもしれません。

【了】

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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

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6件のコメント

  1. これって、地デジで何度も放送してますね。既に常識です。
    又、下松の日立製作所で造られた車両も、JR貨物経由で既存電車(1編成)に連結して最後にメトロの各車両基地へ移送してますよね。(銀座線と丸の内線以外)

  2. 昔、JR東日本のエスカレータ工事の際、専用の私有コンテナをつくってコンテナ車に載せて終電後に工事する駅まで引っ張ってきて下ろす、という事してましたけど。電車を使うのは地上からの搬入が難しい駅の場合でしょう。

    • JR東日本の場合はホームドア設置に保守用車を使ったみたいですね。
      https://www.youtube.com/watch?v=G3UoAU7gbAM

      これはレアケースですが、れいこママさんご指摘の通り、地上・地下問わず多くの鉄道会社で通常の電車を使って輸送されています。ドア数が多ければ多いほど線路に乗せて運べば効率がいいわけで、1基や2基しかないエスカレーターとの比較はお門違いでしょう。

    • JR東日本の場合はホームドア設置に保守用車を使ったみたいですね。「山手線ホームドア 搬入輸送」でYouTube動画検索して頂ければ映像が見つかると思います。

      れいこママさんご指摘の通り、地上・地下問わず多くの鉄道会社で通常の電車を使って輸送されています。ドア数が多ければ多いほど線路に乗せて運べば効率がいいわけで、1基や2基しかないエスカレーターとの比較はお門違いでしょう。

  3. これをやりたくて広扉車つくったのか

  4. まぁ、基本どこでも広扉じゃなくてもこの方法だけどな