ヤマハ発動機とペーパークラフト、20年の歴史とは あの超絶クオリティが無料のワケ
ヤマハ発動機が同社ウェブサイトで配信するペーパークラフトのページが、2017年で20周年を迎えました。世界中からアクセスがあるという人気コンテンツはどのように始まり、そして無料で20年も続いているのでしょうか。
例のコピペにもない20年続くコンテンツ
ネット上には「ヤマハのコピペ」と呼ばれる有名なテキストがあります。(楽器の)ヤマハ株式会社および(オートバイの)ヤマハ発動機株式会社に直接、その真偽をたずねたネット記事も話題になりました。両社が監修した完全版は、その「モノ創り」の歴史を端的にわかりやすく示しているといえるでしょう。
そのヤマハ発動機ですが、2017年でちょうど20周年を迎える、長年にわたり手掛けてきた企画があります。それは「ヤマハ発動機 企業サイト」のいちコンテンツとして配信されている「ペーパークラフト」のページです。
「ペーパークラフト」とは、広義では折り紙や工芸品、紙細工、さらには紙容器なども含まれますが、ここではボール紙やケント紙などを切ったり折ったり貼ったりして作る立体的な模型のことを指します。
ヤマハ発動機はこのペーパークラフトのデータを、日本におけるインターネットの黎明期といえる1997(平成9)年10月から配信しています。これをダウンロードし、プリンターで紙に印刷して組み立てるというもので、その第一弾は同社が1985(昭和60)年にアメリカで発売した排気量1200ccを誇る大型バイク「VMAX」の精密モデルでした(ただしモデル化されたのは1990年型)。以来、これまでに70を超えるモデルのデータを配信していますが、すべて無料です。加えて、バイクなどヤマハ発動機の製品のみならず、おみこしや動物などのモデルもラインナップしています。
完全版「ヤマハのコピペ」をたどっても結びつかないような、そして1円の得にもならないどころか、むしろコストをかけ本格的な模型として無料公開しているペーパークラフト企画は、なぜ始まり、そして20年も続いているのでしょうか。担当者であるヤマハ発動機コーポレートコミュニケーション部WEBグループの三宅英典(みやけひでのり)さんに話を聞きました。
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