廃線の駅をなぜ改修? 聖地・旧増毛駅の再整備決定、駅舎は2倍の大きさに!?
2016年12月に廃止されたJR留萌本線の留萌~増毛間、その終着駅だった増毛駅が改修されます。列車が来ない駅がなぜ改修されるのでしょうか。
駅は町のシンボル
かつてJR留萌本線の終着駅だった増毛駅(北海道増毛町)は、その名称から、硬券の入場券が“縁起物”とされるなど鉄道ファンには知られた存在でした。しかし、2016年12月に留萌~増毛間が廃止。運行最終日には同駅で「お別れセレモニー」が開催され、多くの鉄道ファンが最後の列車を見送っています。
もはや列車は来ないはずですが、増毛町はこの旧駅を改修するといいます。同町企画財政課に話を聞きました。
――廃止駅を改修するというのは、どのような目的があるのでしょうか?
新たな観光施設として、そして町民のシンボルとして駅を再整備します。おっしゃるとおり列車の駅としての役割は終えていますが、増毛町は駅を中心に発展してきたこともあり、「鉄道があった」歴史を残す目的があります。
――どのように改修するのでしょうか?
まず、駅舎の建物面積をおよそ2倍、1921(大正10)年開業当時の大きさにし、外壁も板張りに変えて昔の姿に近づけます。駅周辺の建物は「増毛の歴史的建造物群」として「北海道遺産」に登録されているのですが、新しい駅舎外観はこれら建造物群との調和を図ります。さらに、駅舎内を照らす蛍光灯を、丸い電球を吊り下げるタイプに変更するなど、建物にふさわしい昔の感じを演出します。
また、かつて多数の線路が敷かれていた駅構内から駅舎にかけて、枕木を組んだ通路を新たに建設するほか、ホームには(北海道出身の)彫刻家・五十嵐威暢(いがらしたけのぶ)さんが制作するモニュメントを設置します。
なぜ増毛駅の改修を行う原資が国やJR北海道から廃線時に「増毛町が強硬に主張した」交付金を使って行われることを報道しないのでしょう。
増毛町は国からの地方創生拠点整備交付金4,417万円の他にJR北海道から路線廃止時の対価として、増毛駅周辺の整備費用1億3000万円を受け取っています。
つまりは増毛町はJR北海道と国民の税金で地元が誰も使いもしない駅の「改修」を行うわけです。80年代の国鉄転換路線ですら、ここまでの「浪費」を行った自治体は正直記憶がありません。もちろん転換交付金ではありませんから使途を制限されているのはわかりますが、一時的にせよ好きなように駅周辺をいじり倒す原資ができましたので、今後もいろいろ手を入れることでしょう。
しかしながら、これからその「駅」を維持していくのは世代後の地元です。それも、町民が誰も使わないものに。
本来自前で建設し、登録を要する「道の駅」的なものを自前で金を出さずに作れたという意味では良かったのかもしれませんが、駅の位置は国道からも離れており、一般的に立ち寄る場所でもありません。さて、このあと、本当にどう維持する気なんでしょうね。増毛町は。