JR北海道だけではない、ローカル線廃止の危機

2016年、JR北海道が「単独維持が難しい路線」を発表。多くの人々に衝撃を与えましたが、JR各社の赤字ローカル線は全国にあり、決して対岸の火事ではありません。中国山地には、北海道より利用客数の少ないローカル線があります。

JRでもっとも利用客数が少ない区間はJR西日本に

 JR北海道のローカル線の存続が危ぶまれています。マイカーの普及や沿線の過疎化によって、鉄道の利用客が減少したからです。赤字路線は鉄道会社にとって経営の負担となるうえに、利用者数が少なければ、公共交通として鉄道の役割も限定的です。JR北海道は、自助努力だけでは維持できないといいます。

170106 geibi 01
静かな山あいにある芸備線の備後落合駅。木次線と接続するが、両線とも利用者は少ない(2007年6月、恵 知仁撮影)。

 しかし、ローカル線の利用者数減少や赤字問題は、JR北海道だけではありません。実は、もっとも利用客数の少ない線区は広島県庄原市内にあります。JR西日本の芸備線のうち、東城~備後落合間の25.8kmです。2015年度における1日1kmあたりの平均通過人員は8人で、JR各社が公表している数値としては最低となっています。

「1kmあたりの平均通過人員」とは、ある区間の年間合計乗車人数を、その区間の距離で割り、さらに営業日数(365日)で割った数値です。「輸送密度」ともいいます。この数値が小さいほど利用客が少ないといえます。たとえば東海道新幹線は約24万2000人/日(国土交通省資料 2013年度)、山手線は約108万人/日(同)です。JR北海道でもっとも輸送密度が小さい線区は、札沼線の北海道医療大学駅(北海道当別町)と新十津川駅(北海道新十津川町)のあいだで、79人/日(JR北海道報道資料 2015年度)です。

 JR西日本の芸備線・東城~備後落合間は、JR北海道でもっとも輸送密度が小さい路線に比べて10分の1です。JR西日本が2018年の廃止を決めた三江線の営業密度は58人/日です。これを下回る東城~備後落合間は廃止候補になるおそれがあります。

 現在、JR西日本は東城~備後落合間の廃止を表明していません。しかし、過去には中国山地の閑散区間について「バス転換を含めて検討したい」という社長の発言がありました。三江線の廃止はその流れを汲んだといえます。

この記事の写真一覧

関連記事

最新記事

コメント

8件のコメント

  1. 芸備線、木次線とも、以前は山道の峠越えをしなければならない位、並行する道路は難所でした。
    ところがトンネル、バイパス化、ループ橋などで、道路の方が格段にアクセスが便利になっており、周辺の環境も大きく変化している点も見逃せません。

  2. 確かに、バスは乗り場がわかりづらい。。。アウェイの人にとっては特に。
    乗り場をわかりやすくして、駅のように待合所があって、スマホとかで接近状況がわかるようにすれば断然違うだろう。。。鉄道を廃止するのはやむをえないだろうが、廃止した分、フォローはしっかりしていただきたい。

  3. 民営化されてしまえば当然の結果。国鉄なら赤字でも税金投入(補填)で路線維持出来ても民間企業では収益最優先になり、場合によっては公共インフラだと言う事も2の次になり兼ねない筈。
    民営化推進の自民党政権を多くの国民が支持している実情は、公共交通網の衰退・破壊も望んでいる国民が多いとの現れでしょ?

  4. バスの乗り場が解らないのはバス会社の怠慢です。
    そういった事もせず、「赤字ですから廃止です」なんて言う理由を認めてはいけない。
    乗り場については法令で義務付ければ良いだけなんです。

    鉄道が無くなって困るって言う人は、その原因を考えて下さいね。
    小泉や自民党が簡単に廃止に出来るように制度を変えたからですよ。
    無くなって困る人は投票しなければ良いだけの話ですね。

  5. 国鉄時代の方が赤字路線の廃止に容赦が無かったのに何を言ってるんですか

  6. 廃線は時代の流れで仕方がないと思う。私の街の鉄道(江差線)も50年前は始発から混雑して、座る席もなかったが廃線が決まる数年前には乗客は激減し私一人の貸切状態の日もあった。代替えバスもガラガラである。車の普及に加え、人口が激減しているのだからどうしようもない。

  7. 「鉄道の廃止は(中略)地域の未来も失いかねません。」って、鉄道があれば明るい未来があるとでも?
    先日部分廃止となった留萌線沿線の増毛町は、鉄道があったのに30年で人口半減、中学卒業者数1/4減、鉄道利用者1/10減ですよ。
    鉄道がなくなると地域が衰退するのではなく、地域が衰退すると鉄道が廃止になるのです。
    因果関係を逆にすると、辻褄が合いません。