深夜に高速振動! 東海道新幹線に欠かせない「マルタイ」 棒ラーメンも(写真11枚)
東海道新幹線に「マルチプルタイタンパー」、通称「マルタイ」は欠かせません。深夜、高速振動する「マルタイ」の爪が、線路に突き刺さります。「マルタイ」バージョンの「マルタイ棒ラーメン」も作られました。
1日およそ2000人が深夜、作業に従事
深夜、高速で振動する「爪」を線路に刺す。東海道新幹線には欠かせない作業です。
東海道新幹線の線路は、バラスト(石)の上に枕木とレールを設置する「バラスト軌道」というもの。昭和30年代の建設当時、実績のある構造だったため採用されましたが、線路にゆがみが生じやすく、1日およそ350本の列車が走る東海道新幹線では、毎日、こまめなメンテナンスが必要です。
この、バラスト軌道で発生したゆがみを直すのが「マルチプルタイタンパー」、通称「マルタイ」です。「クランプ」でレールを持ち上げ、高速で振動する「ツール」(爪)をバラスト部分に挿入。振動でバラスト同士の隙間をなくす、バラストを詰め込むなどして、レールのゆがみをミリ単位で修復します。その際、側面の扉を下げることで、バラストのハネや騒音を低減しています。
東海道新幹線では運行が終わった深夜、1日およそ2000人の作業員が、この「マルタイ」などを使いながら線路を補修。安全で快適な列車の運行を支えているそうです。
ちなみに、この「マルタイ」をモチーフにして、「マルタイの棒ラーメン」が作られたこともあります(非売品)。こちらのマルタイは、「棒ラーメン」などで知られる福岡市の食品メーカー。袋の裏側には、「綺麗な線路の作り方」が説明されています。
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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
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