B737はなぜ売れ続けるのか 常時2000機飛行中のベストセラー機、変わり続けて半世紀(写真12枚)

ボーイング737シリーズは、全世界で常時2000機が飛行中といわれるベストセラー機です。初飛行は半世紀前、決して順調な滑り出しではなかったといいますが、そこからどのような道のりを経て、今日の姿があるのでしょうか。

まもなく1万機! 常時2000機が空の上にあるボーイング737

 初飛行から半世紀。これまでに7000機以上のセールスを記録した旅客機ボーイング737シリーズ。その最新型であるMAXシリーズは既に多くの受注が確定しており、それにより737シリーズのトータルセールス数は9400機となる模様で、1万機の大台は達成されそうな勢いです。

 2017年11月現在、737シリーズの航空機は世界の空で常時2000機が飛んでいるというから驚きです。なかでもアメリカのサウスウエスト航空は、保有機材が737シリーズひと筋で現在500機以上を保有しているヘビーユーザーです。

 なぜ、737はこれほどまでに売れ続けるのでしょうか。

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フェニックス空港に着陸するサウスウエスト航空の737-700。同社は737のヘビーユーザーとして知られている(2016年、石津祐介撮影)。

ローカル路線のジェット化に貢献

 ボーイング737は、1960年代に地方路線で運用されていたDC-4やバイカウントなどプロペラ機の代替用機材として、ボーイング社が100人乗りの短距離路線用小型ジェット機として開発に乗り出します。ところが開発当時、アメリカの小型ジェット機市場ではすでにダグラス社のDC-9やイギリスのBAC1-11などが先行して航空会社から受注を獲得していました。ボーイング社は厳しい状況のなか、苦心の末にローンチカスタマーとしてドイツのルフトハンザ航空から21機の受注を取り付けます。ボーイング737-100型は1967(昭和42)年に初飛行を終え、1968(昭和43)年には路線に就航します。

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737のローンチカスタマーとなったルフトハンザ航空(画像:ルフトハンザ航空)。

 100型はセールスが伸び悩みますが、胴体を延長したの200型や性能向上版のアドバンス型は短距離での離着陸性能や座席数130席のキャパシティーが航空会社のあいだで評判となり、ベストセラーとなります。日本では、全日空や日本近距離航空(のちにANAと合併)、南西航空(現トランスオーシャン)が200型を導入し、地方路線で活躍します。

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4件のコメント

  1. 他社のライバルどころか、自社製品(757)まで食っちまったw
    操縦資格が同じということが、エアラインにとって強みなのはよくわかった。
    大型2種ならなんでも運転できるバスとの違いだなw
    胴体が更に伸びて707相当になったら笑えるが、さすがにそれはないだろうな。

  2. CMF56-3B

    CFM56-3B

    typoでしょう

  3. P-8は洋上哨戒システムとしては及第点らしいが、数千メートルから数十メートルまで目まぐるしく高度を変え、しかも潜水艦最終探知に使用する(アメリカ海軍形では未装備だが)磁気探知飛行時には低空での高い機動性が要求される対潜哨戒機としては感心出来ないと言われていますがね(だから日本はP-1を開発した)。
    そりゃあB737は飛行機としてはまとまっているし、欠点はあまりないんですけれど。

  4. 今の737は200型とは全くの別ものだよ。
    ちなみに737の最初の100型やA320の原型と呼ばれるダッソーメルキュールなんか大失敗だった。そういう事から今の大発展がある。