アクアラインで千葉県潤う? 開通20年、通行料負担の先で手にした果実とは
東京湾アクアラインが開通20周年を迎えます。2009年に通行料がETC利用の普通車で800円に引き下げられて以来、右肩上がりで交通量が増え続けています。どのような効果をもたらしているのでしょうか。
利用台数は20年で3.8倍に
東京湾をトンネルと橋で横断し、神奈川県川崎市と千葉県木更津市を結ぶ東京湾アクアライン(以下、アクアライン)が、2017年12月18日(月)に開通から20年を迎えます。
NEXCO東日本によると、2016年度には1日約4万5600台が通行していますが、開通した1997(平成9)年度の1日あたり通行台数は1万1876台、翌1998(平成10)年は9996台と、現在の4分の1ほどでした。
当初に利用が増えなかった原因は、通行料金にあるかもしれません。当初、普通車で4000円でしたが、料金改定やETC利用車を割引する社会実験などが行われ、2009(平成21)年以降、ETC利用の普通車で800円となっています。NEXCO東日本関東支社に話を聞きました。
――開通当初に利用が伸びなかったのは、やはり高額だったためでしょうか?
通行料金の高さもあくまで原因のひとつとは思いますが、ETC利用の普通車で800円となって以降、劇的に利用が増えたのは確かです。そのため、アクアラインはETC装着車の利用率も非常に高いです。
――なぜ普通車「800円」という料金が実現できたのでしょうか?
通常料金との差額を、千葉県さんに負担いただいています。高速道路の通常料金は建設費の償還を考慮して定められるもので、アクアラインの通常料金は普通車で3090円です。
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ETC利用の普通車で800円という料金は、今後も続くのでしょうか。千葉県道路計画課によると、「2009(平成21)年度から2013年度までは、社会実験として国と県が費用を負担し、ETC利用の普通車で800円という料金を実施してきました。2014年4月からは、国土交通省が発表した『新たな高速道路料金に関する基本方針』に基づき、引き続き国および県で費用を負担し継続しています。国の方針では『当分のあいだ』とされていますが、県としては今後も継続していきたいと考えています」といいます。
東関道との比較など同じNEXCO東日本同士ならどんぶり勘定ではプラスマイナスゼロになるが、一番の問題は久里浜~金谷の東京湾フェリーへの悪影響。
社会実験・暫定の筈の大幅値下げが事実上無期限化して、激安通行料で多くの行き来がアクアラインへ流出。その影響で3船体制だったものの老朽化でも買い替えが出来ず、(利用実態にも合わせて)現状は2船体制で減便されたまま。開通当初の社会実験は良いとしても、その後も当初予定とはガラリと変わり無期限に税金投入し、一方では不公平な運営を与儀なくされている民間企業・東京湾フェリーはジリ貧状態。
800円で利用するドライバーは関係なく喜んでいるのでしょうが、余りにも不公平であり確実に明らかなる民業圧迫ですよね?アクアライン暫定料金を継続するなら、同レベルの補助を東京湾フェリーにも投入するべきなのでは? 以前に比べて便数が少なく、更に繁忙期には満車で少ない便数ではいつ乗船出来るのかも予測出来ず、余計に敬遠されてしまっているかと・・・
海ほたるの渋滞も目を覆わんばかりだ。
あれを目の辺りにすると、800円措置も考えものだ。アクアラインバスの定時性にも直撃する。
フェリーにも援助をしてリニューアル、ドライバーの目を引き付けるのも手だけれど、南房総にシーワールド程度しか目ぼしいモノがないのが致命的で、浜金谷付近の道路が貧弱なのも足枷だ。
対策としては、往復で手段を分ける企画パスぐらいしか思いつかないが、検討の余地はあるのではないか。