世界一長い/短い滑走路とは? 空港の「滑走路に必要な長さ」はどう決まるのか

離着陸距離を大幅短縮! 幻の「STOL機」とは?

 飛行機が大型化することで滑走路も長くなる一方に思えるかもしれませんが、他方、飛行機の側で離着陸距離を短くする研究も進められてきました。

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狭い国土での活躍が期待された国産STOL機「飛鳥」(後藤丈志撮影)。

 たとえば航空機による大量輸送時代を迎えた1970年代、日本国内の地方には、ジェット機が運用できるような滑走路を持つ空港はまだ少ないものでした。そこで、狭い国土で活躍が見込まれた短い距離で離着陸するSTOL機(Short TakeOff and Landing)の開発プロジェクトが、NAL(航空宇宙技術研究所、現JAXA)を中心に進められました。

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「飛鳥」のベースとなった航空自衛隊の輸送機C-1(2016年、石津祐介撮影)。

 航空自衛隊のC-1輸送機をベースに開発された「飛鳥」は、1985(昭和60)年10月に初飛行を行います。離陸距離は680m、着陸距離は480mと、STOL機として十分な性能を発揮し、当時の最新技術が用いられ量産化が期待されましたが、機体に掛かる高いコストや、このころになると地方空港にも長い滑走路が整備され始めたために見送られました。

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かかみがはら航空宇宙博物館に展示されている飛鳥(松尾謙一撮影)。

 2017年12月現在、「飛鳥」の機体は岐阜県各務原市にある「かかみがはら航空宇宙博物館」に所蔵されており、見学することができます(現在、同博物館は改装中で2018年3月24日にリニューアル予定)。

【了】

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Writer: 石津祐介(ライター/写真家)

専門誌を中心に、航空機の取材、撮影を行うライター、写真家。国内外を問わず世界各地の空港やエアショーなど取材。航空機以外にも野鳥、アウトドア、旅行など幅広いジャンルの取材を行っている。

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コメント

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8件のコメント

  1. 飛鳥で試験された高バイパス比ターボファンエンジンの技術は現在国産・国際協力を問わず日本のジェットエンジン技術に多大な貢献をしたことは明記しておかなければならない。
    他にもおそらく何らかの形でその後に開発された国産機への布石となったであろうことも想像に難くない。

  2. これだけでは不十分。
    機密高度が関係します。湿度と温度が高いと、空気が薄くなり、利着率の距離が伸びます。
    同じ条件で湿度だけ仮に100%とすると、空気の密度は実質半分くらい。離陸距離は、機体により何十メートルから何百メートル増えます。

    • 残念です。これだけ誤字が多いと書かれていることの信ぴょう性が薄くなります。

  3. (純粋なSTOL機とはいいがたいですが)STOL機について説明するなら、今も飛んでいるUS-2についても説明したほうが良いのでは。
    スペック上は、
    最大離陸重量/距離 47.7t / 490m
    最大着陸重量/距離 47.7t / 1,500m
    となっています。

  4. 日本一短い滑走路の記事は誤りがありますね。
    滑走路の定義に飛行機の着陸に使用するという縛りをつけないと、最も短い滑走路はいずれかのヘリポートになります。
    因みに東京ヘリポートは滑走路長90m、静岡ヘリポートは滑走路長35mです。

    • ヘリメイン、だが固定翼機も可能となると明野飛行場では?キングエア350偵察型のLR-2が隣の八尾空港で燃料補給を前提とした場合に限り、ギリギリまでJP4搭載量を減らして離着陸が可能ですが。後は、明和町だったかな?場外離着陸場がありヘリは全種類、固定翼機はセスナ小型機L19までだったかと。正式名称は陸上自衛隊航空訓練場。
      ランウェイ方位04/22 NOILS 220×30.5 芝生

  5. 飛鳥は昔、岐阜基地の航空祭でフライトしてるのを見たがホントに短距離で離発着する姿に感心した記憶かある

  6. 噂では「飛鳥」の開発中止は
    旅客機を売りたいアメリカの
    横やりでは?と言われてる‼️