ディープなチャーターフライトの世界 関空発名古屋・広島西経由大分行きCRJ200に搭乗(写真26枚)
CRJ、「リバース」がパイロットの腕の見せどころ
「まもなく広島上空に到達いたします。左側に厳島、右側に江田島を見ながら広島西空港跡にまいります」(J-AIR 酒井真比古機長)
JL4921便は、空港跡を中心に右旋回。あいにく記者は左側の席で、空港跡は見えませんでしたが、広島新幹線運転所、広島城などを低高度から楽しむことができました。
「広島西空港の跡地を通過したのち、大分までは約15分と大変短い時間です」(J-AIR 酒井真比古機長)
岩国飛行場付近を通過したのち、JL4921便は10時55分ごろ、大分空港へ着陸。CRJ200ゆかりの地を巡るチャーターフライトが終了しました。ツアーではこの後、大分空港でCRJ200の飛行を外から楽しんだのち、再び同機による別の、足摺岬から香川へ、言い換えれば四国を左下から右上まで斜めに突っ切るチャーターフライトJL4922便で関西空港へ移動、終了しています。
ちなみに、フライト前夜に行われたツアーのトークショーで、J-AIRの小堺康弘機長がCRJについて話したところによると、着陸後にエンジンをリバース(逆噴射)にしてブレーキをかけるとき、CRJは左右2基のエンジンの回転をそろえる装置がないため、リバースの効きがエンジンで異なり、頭が振られやすいので、それを抑えるのが「パイロットの腕」なのだそうです。
J-AIRが運航するCRJ200は、日本の航空会社で最後のCRJ200。2018年1月31日(水)の松山発伊丹行きJL2310便がラストの運航になる予定です。
【了】
Writer: 恵 知仁(乗りものライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
広島西飛行場は滑走路こそ短かったが、その立地の良さはまさしくリージョナルジェット向きの空港だっただけに、三原空港の立地と広島市内への交通の便の悪さも相まって廃止が惜しまれる。
羽田空港の離着陸枠に空きがあれば、羽田~広島西線は安売りしなくてもビジネス客からの一定以上の支持があっただろうに。