クルマの電子ミラーは普及するか ルームミラー電子化で運転動作はどう変わる?
自動車におけるカメラやセンサーの技術が進歩するなかで、ルームミラーがモニターになるクルマが登場しています。車体後方のカメラ映像を映し出すそうですが、これによりバック時などの運転動作はどのように変わるのでしょうか。
鏡とモニター、自動で切り替え可能に
自動車用ミラー大手の村上開明堂(静岡市葵区)が、ルームミラーにカメラモニター機能を備えた「ハイブリッドインナーミラー」を開発しました。2018年1月時点で、今後発売される量産車への搭載が決まっているといいます。
どのような商品なのか、村上開明堂に詳しく話を聞きました。
――「ハイブリッドインナーミラー」はどのような商品なのでしょうか?
鏡にもなり、ディスプレイにもなるルームミラーです。電源が入ると、リアバンパー近くのカメラ映像を映し出します。後部座席の搭乗者や、荷室の荷物などによって視界がさえぎられることなく、車両の後方の広い範囲を認識できるうえ、暗い場所でも明るい映像を得ることができます。
――このような電子ルームミラーは、他社でも開発しているのでしょうか?
はい。電子ルームミラーはすでにいくつかの車種で、主にディーラーオプションとして設定されています。一方、当社として初めて量産車への採用が決まった「ハイブリッドインナーミラー」は、全グレード標準装備とまではならないと思いますが、あらかじめ装備された状態でクルマが生産されます。
――ほかの電子ルームミラーと比べて、どのようなメリットがあるのでしょうか?
当社製品は業界初の「特殊ミラー素子」を使用した透明ディスプレイを採用している点が特徴です。従来製品は反射率を抑えたミラーに強い光を当てて映像を映し出すしくみで、外光の当たり方によっては映像が見にくくなることがありました。当社製品は視認性を向上させているほか、強い光を使う従来製品に比べると省電力で、この点も将来的にEV化が進むとメリットになってくるでしょう。
また、エンジン停止時には自動でモニターから鏡に切り替わるほか、走行中もボタンひとつで手動切り替えが可能です。
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