チャリンコ=自転車のナゾ 戦後広まった俗称、それ以前は?
自転車のことを「チャリンコ」「チャリ」などと呼ぶことがありますが、どのような由来があるのでしょうか。地域独自の呼び名もあるほか、そもそも「自転車」という言葉ができる以前にも、様々な呼称がありました。
「チャリンコ」「チャリ」広まり「ママチャリ」へ
自転車は俗に、「チャリンコ」や「チャリ」などと呼ばれます。
どのような由来があるのでしょうか。自転車にまつわる歴史的な資料を収集・公開している自転車文化センター(東京都品川区)学芸員の谷田貝(やたがい)一男さんに聞きました。
――なぜ自転車は「チャリンコ」や「チャリ」などと呼ばれるのでしょうか?
「チャリンコ」の語源は、よくわかっていません。自転車ベルの「チャリンチャリン……」という音に由来する擬音語とする説、韓国語で自転車を意味する「チャジョンゴ」に由来するという説、また、『広辞苑』(岩波書店)などに載っているのですが、終戦直後の「子供のすり」に関連するという説などがあります。個人的には、ベルの擬音語という説が有力ではないかと考えています。
時期としては、1962(昭和37)年から1963(昭和38)年ころには、東京の下町で使われていたことが確認されています。もともとは地域的な言葉だったのかもしれません。
――「ママチャリ」という言葉もありますが……?
「ママチャリ」は、「チャリンコ」「チャリ」などという言葉がかなり浸透してから出てきた呼び名です。メーカーでは「シティサイクル」などと呼びますが、日本独特のものとして現在見られる「ママチャリ」の形式ができてきたのが1970年代後半で、そのように呼ばれるようになったのは1980年代以降でしょう。
三河だと「けったー」だね。