赤い新型ロマンスカー70000形「GSE」に乗った! 小田急自慢の展望席、その実力とは(写真70枚)

最大級の特徴&ロマンスカーの伝統「展望席」へ!

「GSE」最大級の特徴で、小田急の特急ロマンスカーの伝統ともいえる「展望席」へ向かいます。

 客席の上に「GSE」は運転台を設け、優れた前方(後方)眺望を確保。無くすことが難しいピラー(柱)についても、薄く見えるよう工夫するなどし、同様の展望席構造を持つ既存のロマンスカー「VSE」より、広い視野を実現したそうです。

 この展望席がある先頭車両では、座席上に荷棚が設置されていません。視界をさえぎるものを無くし、先頭車両全体で展望を楽しめるようにしたといいます。

 実際に展望席からの前方眺望を体験しましたが、迫ってくる風景と、左右に流れていく風景、「GSE」は横方向の眺望も優れているため、その相乗効果によるインパクトのある視界が心に残りました。

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広い視野を実現したという「GSE」展望席。
車内の案内ディスプレイはフルカラー液晶。
天井に収納されている運転台への階段。

 小田急電鉄によると、新型ロマンスカー70000形「GSE」の開発にあたって課せられたのは、「これまでにない眺望の展望席を設置」と「ホームドアへの対応」、そして「7両編成で400席を確保」。日本有数の観光地である「箱根」への特急として非日常の空間を演出しつつ、安全性を高め、かつ、編成を箱根登山鉄道線(小田原~箱根湯本)を走れる7両に抑えながら最大限の定員を確保し、通勤通学といった日常利用にも対応できる車両として誕生したのが、この70000形「GSE」です。

 試乗では、校庭からこちら――思わずやって来た「GSE」を見つけて指を指し、手を叩いていたジャージ姿の中学生たちや、老若男女がスマホのカメラを「GSE」向けていたことが印象的でした。

 新しい小田急の“華”、「GSE」の営業運転開始は2018年3月17日(土)、新宿駅を朝の9時ちょうどに発車する箱根湯本行き「スーパーはこね5号」です。小田急電鉄によると、土休日の「GSE」で運転される列車は残席が少なくなっているものの、平日はまだ比較的席に余裕があるとのこと(2月22日時点)。

 ちなみに、運転台が客席の上にある「GSE」。運転士は車内天井に収納されている階段を下ろして、登っていきます。小田急電鉄で特急ロマンスカーの運転士になるには、一般列車における3年以上の経験と、試験への合格が必要だそうです。

【了】

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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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