経営破綻中のアリタリア ANAとの提携の先にあるものは
見えづらいアリタリアのメリット
コードシェアにおける航空会社のメリットのひとつに、地方発の直行便ほか満席になりにくい便の座席を複数社で分け合い、それぞれのネットワークを活用して座席を埋めることが挙げられます。「空いている座席を埋める」ことに大きな意味があるのです。しかし、成田発という利便性の高い首都圏からの直行便の座席を、ANAに分け与えるアリタリアのメリットはわかりにくいものといえます。
ANAとアリタリアの包括提携発表の記者会見の際、双方が目的を「イタリア路線の旅客数の拡充」といいました。しかし、座席数が増えるのではなく、一部(座席配分は不明)をANAに供給する形になるだけです。記者会見に臨んだアリタリアのマッシモ・イラチ最高戦略・オペレーション執行役員は、「イタリア人を日本各地への飛行機での旅へと誘う」とも答えていましたが、双方の旅客は、あくまでも国際線からの乗り継ぎでコードシェアの国内区間を利用できるにすぎません。法規制により、イタリア人がアリタリア航空のコードシェア便で、成田〜沖縄といった日本の国内区間だけを購入することはできないのです。
提携により、日本人のイタリア国内におけるアリタリア搭乗率が高まるかといえば、コードシェア便でANAのマイルを少しでも積算したい人の利用者は増えるでしょう。ただ、イタリアにはLCCもあれば、鉄道やバスなど陸路が発達していて価格も安く、高速鉄道の存在も含めて、飛躍的にコードシェアの国内線利用者が増えるかは疑問です。
コードシェア便、単なる乗客にとって迷惑ですね!
2年程前、カンタス航空のロサンゼルス=>サンディエゴの航空券をネットで格安購入、米国ロサンゼルス国際空港LAXのカンタス航空のチェックインカウンターに出向いたら、ここじゃないと言われ、さらに、どこでチェックインするのかカンタス航空のチェックインカウンターにいる係員もしばらくわからず、ひどい目にあいました。
大きなスーツケースを持って、ヨロヨロ大空港を動くのは大変です。