日本海側へ観光客を! 沿岸自治体とウィラーが広域連携、太平洋側の「ゴールデンルート」に対抗

日本海沿岸の自治体とウィラーが、国内外の観光客を呼び込もうと「日本海縦断観光ルート・プロジェクト」を発足。交通の整備と「日本海ブランド」の確立を目指し、太平洋側の「ゴールデンルート」に対抗するとしています。

北前船で結ばれていた日本海側を「プラチナルート」に

 日本海側に位置する新潟市、福井県敦賀市、京都府舞鶴市、兵庫県豊岡市の4市と、高速バス事業者や京都丹後鉄道を傘下にもつウィラーを中心に、「日本海縦断観光ルート・プロジェクト推進協議会」が設立、2018年4月26日(木)にその事業発表会が行われました。

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「日本海縦断観光ルート・プロジェクト推進協議会」の資料画像(2018年4月26日、中島洋平撮影)。

 現在、東京や富士山、京都、大阪といった太平洋側を中心とする観光ルートが、国内外の観光客にとっての定番として「ゴールデンルート」とも呼ばれています。このゴールデンルートに対抗し、日本海側を結ぶ観光ルートをつくり、沿岸地域の経済を発展させることを目的として、今回の協議会が設立されました。

 協議会の副会長を務める豊岡市長の代理で出席した前野文孝副市長は、「たとえば豊岡市の玄関口は南に向いており、京阪神、つまりゴールデンルートからいかにして観光客に立ち寄ってもらうかを考えていました」といいます。ほか3市も同じような状況で、観光客に立ち寄ってはもらえるものの、宿泊することなく首都圏や京阪神に帰ってしまったり、日本海側の他地域に足を伸ばしたりということが少なかったそうです。

「太平洋側ではなく、横の日本海側に目を転じれば、新潟、富山、石川、福井4県、そして京都北部と豊岡市を加えると、年間のべ9870万もの人が訪れています。横のつながりが弱いので基軸となる観光コースをつくり、『日本海側へ行こう』と思ってもらえるブランドづくりを目指しています」(ウィラー 代表取締役 村瀬茂高さん)

 会長を務める新潟市長の篠田 昭さんは、「江戸時代に『北前船』で結ばれていた日本海側には多彩な文化が生まれ、街のつくりもいろいろ違います。縦断すれば面白さを感じてもらえるはずです。2020年東京オリンピック・パラリンピックまでに、日本海側を『プラチナルート』に育てることが目的です」と話します。

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コメント

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2件のコメント

  1. 自治体各位

    ウィラーの提案はすべからくマユツバで対応することです。
    気が付いたら利を得ていたのはウィラーのみ、イニシアチブも完全にウィラーに掌握されていたなんていう可能性が、残念ながら大だと思われます。
    お客を引っ張る算段は大いに結構。
    が、“向こう”に任せっきり、丸投げ、言いなり、というのだけは絶対に止めることです。

  2. 最大の差は移動のしやすさだからね…
    新潟から福井まで、ウィラートレインが1時間に1本ジャパンレールパスの使える特急を走らせるのなら違ってくると思いますが